11話
お待たせいたしました。平成最後に更新できたぁー
「さーちゃん先生お願いします!」
「「「「おねがいしまーす!」」」」
「えーっと……これは?」
早速始まったけど、なんだか2人増えてる?
「あっ、気にしないで。私はそこの3人よりも器用だからさ、本見ながら作るけど分かんないとこだけ教えて欲しいなーと思って」
「そーそー。なんならあたし手芸部なんだけどね。面白そうだから来ちゃった」
机を6つくっつけて、それぞれが持ってきた材料が広げられている。それ以上に占めているのが、いろんな種類のお菓子。
「ちゃんと零さないように食べてよー」
「さーちゃんも遠慮なく食べてねー」
5人とも仲が良いらしい、。同じクラスの美咲ちゃん、華ちゃん、雪ちゃんに、2組の菜帆ちゃん、6組で手芸部員の玲那ちゃん。ふふ、いっきにお友達が増えて嬉しいな。
自己紹介を終えると雑談で盛り上がる。
「さーちゃんって教室では勉強とか編み物? ばっかりしてるイメージなんだけど、誰とお友達なの?」
「ルームメイトは3年生の横山美守」
1番長く一緒にいるのは間違いなくみぃだよね。
「あぁ! みぃちゃん先輩!」
知ってるんだ。
「あそこのパン屋さん好きでよく行くよ~」
そういえばさらは行ったことないな。みぃが時々持って帰って来てくれたのを食べるくらい。今度行ってみようかな。
「あと、最近は紫咲弘美ちゃんとお友達になったの」
「紫咲さんね。目の保養だわ」
やっぱり、弘美ちゃんはモテモテなんだ。
「あぁ、でも気をつけた方がいいよ。なんとなーく耳に入ってきただけなんだけど、紫咲さんのファンってちょっと過激な子がいるらしいの」
過激なファン?
「遊んだりしたの?」
「お泊まりしたよ」
「それ、なるべく言わない方がいいかも」
早速、今日もお泊まりする予定なんだけどな……。弘美ちゃんの迷惑になるかもしれないなら、やめた方がいいのかな。でもすごく気持ちよく寝れたんだけど。
「他には?」
「あとは、萌香ちゃん」
「……もしかして、久我さん?」
頷くと顔を見合わせた5人が微妙な顔をする。
「これまた濃いねぇ。そういえば紫咲さんとルームメイトだったっけ」
「うん」
「あの子なら私同じクラスだよ」
「紫咲さんファンは安心してるみたい。ルームメイトだからって抜け駆けしてとられる心配がないから」
なるほど。萌香ちゃんがファンじゃないから、あんまり仲良くないみたいだけど弘美ちゃんも部屋はあえて変えてないんだ。
「男と遊んでるって噂が立ってる子だよね?」
「遊んじゃだめなの?」
桜来は小学生以来あんまり男の人と喋ったこと無いけど。
「えっとねー、遊ぶっていうのは、男とせっ」
「「「ちょっ黙って!!」」」
「せ?」
「あの子の遊び相手の選び方が独特だって話よ。まあ、噂だけど」
「萌香ちゃんは良い人だよ?」
「そうなんだ? なんか、噂を聞いて近寄りがたくて。話したことはないんだよね」
萌香ちゃん、すごく話しやすいんだけどなぁ。クラスが違うから学校ではまた違う感じなのかな。
「面倒見よくて優しいんだよ」
「へぇ~。ちょっと今度話しかけてみようかな」
「いやー! やっぱり私無理かもぉ!!!」
「どうしたの?」
「ここ! びよんってなっちゃった!」
「これくらいなら、……こうすれば大丈夫」
「ああああぁありがとーさーちゃん!」
そうだ。編み物を教えてあげるのが目的だった。お話に夢中になっちゃってたな。
とは思ったものの結局お開きにするまで雑談が盛り上がった。最初だし、課題ってわけじゃないもんね。
のんびりでいいから、作るの楽しんでくれたらいいな。