Prologue -004 [絵画]
どうも、土井淳です。
推理モノを書き上げる上で『法律』とか『警察の序列』とかそういうのを調べながらやるのが、とても大変です。。。
推理小説作家の皆様は、法律関係はとてもお詳しいのでしょうか?
時たま、ドラマなどを見ながら疑問に思ったりします。
さてさて、今回はプロローグ第二話です。
左遷後最初の任務を命じられます。
津田さん、大丈夫かな?
それではどうぞ。
2016年2月14日。
散々歩き疲れた僕は、受付で軽い手続きを済ませた後、自販機で飲み物を買ってくつろいでいた。
いつもはブラックのコーヒーで渋く行くところだが、今回ばかりはスポーツドリンクを口一杯含んで―――むせていたわけで。
さすがに一気はまずかったか、いやはや。
10分くらい経った頃だろうか、受付の人が僕を呼び出した。
暑くて脱いだジャケットを着直し、言われるがままに部屋に案内された。
されたけど・・・ここ会議室だよな?
含むところもあったが、とにかく入ってみることに。
「ん、来たか」
おじさんがそこにいた。
黒髪をオールバックに、ヒゲは生えてなく、少しシワが見える。
年齢でいうと・・・50代だろうか。
「お、おはようございます!本日付でこちらに配属されることになりました、津田明彦巡査であります!」
「うむ。私は大島龍二郎、警視だ」
自己紹介を行うと、途端に僕をジーっと眺める。
非常に無口な方なのだろう、もしくはそういうオーラを出してるせいか、場の空気が少し重い。
喋ったらアウトみたいな雰囲気を醸し始めている。
ひとしきり僕を見たのち、石像が喋り始める如く、重苦しく口を開く。
「早速で悪いんだが、君には任務についてもらう」
任務?張り込みかな?
それにしても配属早々仕事って、何だかなぁ。
まずは君のデスクを~っていうのが一般的だけど、今回はどうも違うらしい。
それは、僕を見る目つきでよくわかる。
「任務というのは他でもない、『怪盗シュヴァルツ』の件についてだ」
か、怪盗シュヴァルツだって!?
日本中のお宝というお宝を盗んで回る大怪盗じゃないか。
しかもどんなに大規模な警備や大人数の捜査員を投入しても、一度も捕まえることができなかったって聞いたことがある。
一瞬だけ、何故新入りにそんな大それたことを任せるのか考えたが、すぐに辞めてしまった。
理由は簡単だった。
「今回の担当刑事が、他の事件の協力に出払っていてね、人手が足りないのだよ」
そう、人員不足。
ここの警察署は全国的にも小規模、人手は元より少ない。
しかも他の事件にヘルプで駆り出された場合、やはりこうなってしまうのも無理はない。
とはいえ、新人にこの扱いはどうだろう。
「なるほど。それで、私は何をすれば・・・?」
「うむ、では概要を話そう」
長々と説明されたが、まとめるとこうだ。
シュヴァルツは3日前、美術館に『絵画』を盗みにいく、と警察宛てに予告状を出した。
なんでもその絵画は、とある有名な画家が晩年に作り上げた作品らしい。
何より特徴としては、絵の具の他に、作者の妻から抽出した血液を用いて描いたとされている。
そしてそれは持つ者を不幸にする曰く付きのものだとか。
絵画は美術館の2階、北側の展示スペースに飾ってあり、閉館後は一部屋丸ごと鉄格子で覆い、尚且つ赤外線センサーを張り巡らすという。
警備員は部屋の扉に2人、周辺に10人配置し、1階にも数10人配置されており、僕を含めた捜査員は美術館周辺に待機する・・・ということらしい。
「随分おぞましいモノを狙うんですね・・・」
「うむ、それは私も疑問に思っていたところだ」
そう、『大怪盗』こと怪盗シュヴァルツは、宝石などの金銀財宝や歴史的財宝を盗むことはあっても、絵画を盗んだケースは一切ない。
ましてそれが曰く付きとなると、疑問視するのも無理はない。
シュヴァルツは一体何を考えているんだ・・・?
To Be Continued...
※本作品はフィクションです。実際の個人・団体・地名・事件等とは一切関係ありません。
『探偵シリーズ ~ 大怪盗の夢 ~』プロローグ第二話、如何でしたでしょうか。
まだ本編の頭にかすった程度ですが、ここからシュヴァルツとの対面になります。
んー、語彙をもう少し増やしたいところですかねぇ・・・(汗)
頭の中では津田はポンコツキャラだったんですけど、具現化していく内にポンコツ要素がゴッソリ削られていきました。
なんででしょう。。。
割と少ない登場人物でやりくりしようとも考えていたのですが、その気持ちが強かったのか、今までの登場人物が累計3人。
一応モブの受付の人も入れたら4人という少なさ・・・大丈夫かな(汗)
次回から話が進んでいきます。
お楽しみに。