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誤解と弁明

なんかどんどん1話事の文字数が減っている気がする…。もう少し頑張ります。

※この作品はフィクションです。実在する人物、団体とは、ほんの少ししか関係ありません。嫁さんはもう少し…いえ、なんでもないです。




「痛い…」


目が覚めた。何だろう、頬っぺたが痛い。


「おはよう、よーちゃん」


隣には嫁さんがいた。すごい笑顔で。知ってる、これは怒っているときの笑顔だ…目が笑ってない。でも心当たりがないぞ?


「おはよう、ナオ。」


挨拶をした。挨拶って大事だよね。

子供たちはまだ寝ている。昨日の夜、下の子が夜泣きして起きたた為、まだ少し眠い。


「なんか頬っぺたが痛いんだけど」


聞いてみた。


「うん、私が優しくつねったからかな」


簡単に教えられた。


「えーと、なんでつねられたんでしょうか?」


思わず敬語になる。下手に出る気持ち、大事。


「…リータって誰?」


姿勢を正した。正座して嫁さんの正面に座る。…あれ?これ逆効果じゃね?なんか本当に浮気したみたいじゃね?認めたみたいに見えない?


案の定、嫁さんが涙目になってる。まずい、かなーりまずい。


「…もう私の事好きじゃな」


「大好きです!」


即答する。そして間を挟まず追撃する。


「夢です。夢の中の女の子です。」


昨日の夢を説明する。2回も続けて同じような夢を見たというので怪訝そうな顔をされてしまったが、聞いてくれた。


「浮気ではないと?」


「おっしゃる通りでございます」


嫁さんが何か悩んでいる。そして顔を赤らめながらポツリと言った。


「その…妊娠中で相手出来ないから…変な夢見ちゃったのかな?」


なんということで悩んでいるんだマイワイフ。

ポンポンと頭を優しく叩いた。


「大丈夫だよ。多分、そんなのじゃないよ。それより、勘違いさせてごめんね」


こうなった原因は俺にあるからね。


「勘違いなら良かったよ。…その、頬っぺたつねってゴメンね?」


上目遣いに謝られる。はい、もう許した。


「ちょうど良い目覚ましだったよ。そろそろみんな起きなきゃいけない時間だしね」


「あ!ほんとだ!朝御飯の準備してくるからアオちゃんとふーちゃん起こして!」


「ういうい、りょーかい。」


そしてパタパタと、いつもの朝が始まる。誤解も解けたようで何より。


さて、出勤だ。今日は深夜までの仕事。本来は夜は稼ぎ時だろうけど、あいにく今日は「月曜日」。日曜日についで、皆さま外でお酒を飲まない日である。

これが大都市なら話は違ってくるのだろう。仕事終わりにちょっと一杯飲んで電車で帰る。ちょっと一杯のつもりが結局飲み潰れてタクシーを。と、いうような流れがあるのかもしれない。


あいにく、こちらは地方でして、電車は一時間に一本。通勤に車は当たり前。歩いて帰れる人なんて少数派。お酒を飲んだら代行運転。と、いうような状況なのである。


よって平日の、ましてや週の始めに飲みに来る人は少ない。飲み屋街の道路はゴーストタウンさながらに人がいない。こんな中、どう客を拾えと?


なんとか拾えたお客様を乗せ運転。


「車の中、温度の方は大丈夫でしょうか?」


お客様を乗せたとき、必ず言うことにしている台詞だ。人によって最適な温度は違う。どうせなら快適に過ごしてもらいたいしね。

ちなみに、マニュアルにはこんな台詞を言えとは書いていない。と、いうかおそらく自分だけだろう。良くビックリされる。

「今までタクシーに乗ってそんなこと聞かれたのは初めてだ」

ビックリしつつ。ちょっと嬉しそうに言ってくれる。それが嬉しい。


「足元お気をつけてお降りください。ありがとうございました」


これも降車時に必ず言う台詞。タクシーは乗るときや降りるとき、足元につまずいたり頭をタクシー天井にぶつけたりする人が結構居る。一声かけることで、注意を向けることが出来ると思っている。まあそれでも、ぶつける人はいるが。


さて、営業終了。帰る前に必ずしなければならないのが洗車だ。

これも案外知られていないようで、知り合いに毎日タクシーを洗車すると言ったら驚かれた。やはりお客様を乗せる車だから毎日綺麗にしなくては。スプレー式の洗車機を使用して行う。

タクシー会社によっては全自動の洗車機を使用しているところもある。そっちのほうが楽そうだから羨ましい。しっかり車全体を拭き上げてようやく終了。これが結構重労働。というか、めんどくさい。しかし綺麗にすると気持ちいいし。是非もないネ!

なお、先輩の中には2日~3日に一度のみ洗車する人もいるようだけど…。


帰宅する。もう深夜だけあってみんな寝静まっている。

布団に潜り込む。ん?足元に何かある。

…ふーちゃんだった。どうやら眠ったまま布団の奥底に潜り込んだようだ。

枕元に引っ張りあげる。またモゾモゾと下に潜り込む。引っ張りあげる。また潜り込む…

ため息をひとつ。これ以上動かすとふーちゃんが起きてしまう。寝るスペースが微妙だが、ふーちゃんの隣に一緒に丸くなって寝ることにしよう。これなら布団に潜り込んで窒息ってこともないだろう。明日は身体が痛くなりそうだな…。

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