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あたしの望み

神崎 愛海(かんざき なるみ)…無能力者アンキャパシティの金髪少女


柊 水蓮(ひいらぎ すいれん)…愛海の前に現れた謎の少女

 気が付くと、愛海(なるみ)の見える景色は真っ赤に染まっていた。壁も床も、そして自分自身も誰のものかも分からない返り血で真っ赤になっていた。手入れをこまめに行っていた金髪も血がベットリついていたのは何気にショックだった…独特な人の腐敗臭が立ち込める教室で彼女は一人立ちすくしていた。

 さっきまで見ていた当たり前の日常が一瞬で別のものへと変化していた…


 柊の一言で、あの時の情景が、愛海の中で再現されていた!!!


 ――アレをあたしが起こした??そんなバカな!!!だって、あたしは――

 「状況がまだ呑み込めていないみたいだね。まあ、無理もないか(笑)昨日まで、無能力者(アンキャパシティ)で、今日になって、こんな人災を起こしたなんて言われたら、誰だって、頭の整理できないよね」

 

 柊は愛海の顔色を(うかが)いながら、淡々と話す。

 「…でもね。全て事実なんだよ。神崎 愛海!!!今回の出来事は間違いなく君の異能で起こったものだ!!!」

 柊の言葉に愛海は顔をゆがめる。

 「仮に、あたしの異能だとしても、一体どんな能力なのよ!?こんな、一瞬で沢山の人を殺める能力があったら、危険視されてもおかしくないじゃない!!!」


 愛海は、今の自分の立場がとても危ういものだと感じ、反論した。そんな様子をみても柊は眉一つ動かさなかった。

 「異能は、その人の【望み】が現れるものだといわれている。あの時、君は何を望んだ?それをたどればなんとなく答えが導けると思うよ。これほどの被害を(こうむ)る異能だからね。まあ、他にも【特例】はあるみたいなんだけど…」


 ずっと望んでいたことそれは…


 ―異能がほしい―


 そう、愛海の望みは、単純なものだった。異能者(ターレント)になること。それだけだった。


 つまり、愛海の望みが叶い、ありふれた日常は、彼女自身の手で【壊された】


 それが、目の前に映る現状だった…


 

 

 

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