架橋
「全く話をするなら、もっと静かな場所にすべきでしょ?こんな騒がしいところに呼ぶなんて」
「だから、しょうがないやん。ここのキャラメルラテ好きなんやもん。飲みたくなってもうて」
愛実は、ため息をついて、後ろ髪を触る。未来は、笑いながら、美味しそうに、頼んだラテを飲んでいる。見る限り、正反対のような二人。見ていて飽きないと思ってしまう愛海。
話を簡単にまとめると、愛実が昔、施設にいた時、未来と出会った。未来の異能は、研究対象の中でも一目置かれるものだったらしく、重宝されていた。愛実と似た境遇だったためか、二人は、意気投合するのに、そう時間はかからなかった。
「じゃあ、藤林さんは、ずっとここにいるのね?」
「せやな。でも、ここからは出られないし、窮屈なんよね。【外】は、もっと楽しいこととかあるんかな?」
未来は、笑いながら、そう答える。
この施設は、未来にとっては、鳥かごのような存在だった。外の景色は、ガラスという壁を通してみるしかない。未来の欲しいものは、ここにはなかった。
「その気持ちをなくしたらダメよ。信じて貫くことで、現実になる。今が辛くても、その先もそうとは限らない。ある意味、あなたの名前って、【架橋】なのかもしれないわね」
この時の愛実の何気ない一言に未来は救われていた!!!
そして、数日が経ち、新人が入ってきた。
見たところ、自分より小柄で、童顔。ウサギみたいなイメージだった。
彼女の名は、姫野 美晴。異能判定ができないので、彼女は、欠陥品扱いをされて、周りからも期待をされていなかった。
しかし、愛実だけは、気づいていた。彼女の【異様な雰囲気】に。おそらく、愛実以外は、気づいていない!!!
そして、愛実と未来は、彼女を仲間にする。彼女が、欠陥品でないと気づいたからだ。
「まさか、こんな早く、気づかれるとはなー安西って頭いいんだね」
意外にも、あっさり白状した。未来には、正直、この状況が異常に見えていた。シラを切ることだってできたはずなのに、何故?
「理由まではわからないけど、あなたは、欠陥品と思われる必要があった。多分、その方が、怪しまれないからでしょうね。多分、異能判定ができなかったのもあなたの仕業ね?」
「けっこう、自信あったんだけどなー今までもアレで疑われたことないのに」
「私相手だと運がなかったわね。さて、本題だけど、あなたがここに来た理由はなにか教えてもらえるかしら?さっきの家族が亡くなってというのも嘘なんでしょうから」
「まあ、隠していてもしょうがないよね。実は依頼をされてね。この施設にいるある異能者を連れてきてくれって言われていたんだ。それで、ボクが来たってわけ」
「ま、探す手間が省けたんだけどね。まさか、向こうから来てくれるとは思っていなかったから。会えてうれしいよ。藤林 未来さん」
未来を探していた?でも、確か未来は、判定ゼロたったはず。
愛実の考えは、予想の斜め上をいくことになる。
そのことに気づくのは、もう少し先のお話…
個人的に、ようやく出したいキャラクターを出すことができました。特に未来は、お気に入りのキャラクターなので出すことができて本当に嬉しいです。
いろんなキャラクターがどんどん出てきて、困惑する方もいるかもしれませんが、ぜひ楽しんで読んでいただけると幸いです。




