表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/23

居場所

 白凪 花火と出会って、数日が経ち、愛海(なるみ)は、家で過ごしていた。ここは、自分でいられる唯一の居場所だから気が楽になる。


 今だって、昼過ぎだというのに、下着で縁側で涼んでいる。特に羞恥心などはない。むしろ、水着では大丈夫で、下着ではダメという基準が分からない。今日は、いつも以上に暑くなるとニュースで言っていたので、家からは出ないつもりでいた。


 いつものように、棒アイスを口にくわえて、横になっていた時、インターホンが鳴った。出るのも面倒だったので、居留守で過ごそうと思ったが、携帯をマナーモードにしていなかったからか、着信音が鳴った。知らない番号…おそるおそる電話に出た。


 「…も、もしもし」


 「もしもし? 神崎(かんざき) 愛海(なるみ)さんですか?」


 「そうですけど、どちら様?」


 「急にごめんなさいね。この前、お会いした白凪ですけど、覚えていらっしゃいますか?」

 甲高い声と丁寧な口調で、思い出した。

 「お久しぶりね。あたしの番号は、柊から教えてもらったのかしら?」


 「お察しの通りです。今は、外出しているのかしら?インターホン鳴らしたんだけど、出なかったので」

 その言葉を聞いて、即座に玄関のドアを開ける。 しかし、誰もいない。


 「その様子だと、玄関までいったのですね。でも、ごめんなさい。(わたくし)今ちょっと、お忙しい身でして、そちらに伺う時間がありませんの」

 「じゃあ、なんで、インターホンが鳴ったことを知ってるの?」


 「それは、鳴らしたのが【わたくし】だからですよ。鳴ったときに、すぐに出ればよかったのに、残念でしたわね。では、また連絡しますわ。ごきげんよう」

 そう言って、電話が切れた。この前、会った時もそうだったが、相変わらず、自分勝手にもほどがある。ただ、どうやって、愛海の家のインターホンを鳴らしたのか?それは、謎のまま…


 頭の中が、もやもやする。家にいても落ち着かなくなり、外出することにした。身支度を整え、そそくさと家を出る。まあ、ちょっとした気晴らしだ。

                     ∞

 「ターゲットが動いた。これより、作戦を実行に移す」


 「了解。確認だけど、できるだけ早く【オトモダチ】になること。それが最優先なことを忘れないように。ウチの顔に泥を塗るのは勘弁してな」


 彼女は、そう言って、携帯を切ると、青く澄んだ空を見上げた。


 「もうすぐ会えるんやな。気の合う子ならええんやけどな」

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ