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白凪 花火

白凪 花火(しらなぎ はなび)…茉莉の姉。

 眉一つ動かさず、引き金を引く姿を目の当たりにして、恐怖を感じた愛海なるみ

 今までに感じたことのない感情に、普段の冷静さな態度でいられていない自分がいた。


 目の前にいる最近知り合った【同じ境遇】の身内とは、とても思えなかったからだ。

 思い返してみれば、あいつも、目の前に飛んできたものを【避ける】ということをしていなかった!!!

 まるで、当たらないことが【分かっていたみたい】に…


 「はじめましてですね。わたくしは、白凪しらなぎ 花火はなびと申します。そこにいるひいらぎ 水連すいれんの…まあ、腐れ縁のようなものですわね。お見知りおきを神崎かんざき 愛海なるみさん」


 頭の整理をしている間に、淡々と話す態度に、正直、接しにくさを感じる愛海。


 「こちらこそ。後、さっきはありがとう。おかげで助かったわ。柊とは、まだ知り合い程度の仲だけど、今回は、ほっとけない状況だったから」


 できるだけ、冷静を装いつつ、話す愛海。さすがに【あんな異名】があるだけのことはある!!!


 今は、お互いに、腹の探り合いというところだろう。


 「ちょ、ちょっと、ボクのことを無視するなよな。確かにさっきは、花火のおかげで助かったのは事実だけど、勝手に話し進めないでよね」

 「あら、ごめんなさいね。そんなつもりはなくてよ。ただ、存在価値がないものには目を背ける主義なのでそうしたまでだったのですが」

 「より、酷いよ。後、その一言いらないよね」


 花火の返答に、柊は顔を真っ赤にして答えた。


 「でも、なんにせよあなたのおかげで助かったわ。でないと、無傷ではいられなかったでしょうにね。もっと【自分の立場】を考えて行動していただきたいですね」


 そう言われて、柊は、返す言葉もないのか、顔を膨らませていた…


 なんとなく、二人のパワーバランスが見えてきた愛海。


 「大体、茉莉から聞いてないんだけどね。今日、花火が来るなんてこと」


 「おそらく、柊一人では不安だったんだと思いますよ。まあ、今回の状況を見る限り、わたくしをここに行くよう伝えた判断は、間違っていなかったわけですけどね。さすがは、茉莉です」

 首を縦に振り、うれしそうに頷く彼女の姿に、愛海には【一つの仮説】が立った。個人的には、そういう仮説は、外れてほしいものなのだが…


 果たして、それが、吉と出るか凶と出るか、それこそ【神のみぞ知る】といえよう…




 そして、その様子を遠くから見ている【彼ら】との出会いで、運命の針はまた揺らいでしまうことになるとも知らず…





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