女の武器
神崎 愛海(かんざき なるみ)…人形の金髪少女。
柊 水蓮(ひいらぎ すいれん)…巨乳のボクっ娘少女。
今のこの状況、とても気に食わない状況だといえる。
愛海にむけられていた男達の視線が別のものに向けられているからだ!!!
「お兄さん達、けっこう好みだからさ。そんな牛女にするくらいなら、ボクにした方がいいんじゃない?」
柊の身体に、男は釘付けになっていた(主に胸だが)。
愛海のそばにいる男以外は、柊にホの字になっていた!!!
「それに、ボクみたいな背の小さくて子供っぽい女の子は…嫌い?」男に寄り添って、上目遣いで瞳を輝かせている…
正直、今の柊の表情を見て、惚れない男はきっといないだろう…
―あんなザ・女子みたいな表情、あたしにはできないな―そんなことをふと思った。
「あ、あのさ、ちなみに、ど、どんなことをしてもいいの?」
妙に意識し始めたのか、柊に対して強気で言えてない。なんか、見ていて悲しくなる…
「え~ボクの口から言わせるの??」柊は、顔を赤らませて、男のそばに駆け寄った。
「ボクの身体、お兄さんの好きにして…い・い・よ」
その言葉に、男の中のリミッターが外れたようで、柊を襲うように抱きついた。
「ちょ、ちょっとお兄さん、いきなりそんな…」柊の声は、男には聞こえていないみたいで、もう欲望に従っていた!!!
案の定、柊は、制服のボタンを外され、胸があらわになっていた!!!予想外に、顔が真っ赤になって、泣きそうな顔になっていた。
―あんな表情もするんだ。ちょっと可愛い―
そんなことをふと思った愛海。愛海の中で、少し柊に親近感が沸いた。
「あ、あのさ、あんなこと言ってなんなんだけど、やっぱり、こういうことは…」
怯えた目で、必死に男に話す柊。しかし、柊の声は男には届いていないようだ…
これ以上は、目に余る光景だったので、愛海が、男を引き剥がした。
「てめえ、なにしやがる」「見ていて気持ちのいいものじゃなかったから。それに、いい年した男が女の子を泣かしているのは感心しない」
男の顔色がますます剣幕なものへと変わる。「俺、嫌いなんだよな。そういう説教じみたこと言う奴。女は、黙って言う事ハイハイって聞いていればいいんだよ」
男は、懐から、銃を取り出し、銃口を愛海達にむけた。
愛海は、反射もあるからか、取り乱すこともなく、ただ、男を見つめていた。
空気が静まり、一発の銃声が、建物の中を満たした…