新たな事実
神崎 愛海(かんざき なるみ)…人形の金髪少女
つくられた存在…愛海は、白凪からの言葉が頭の片隅にずっと残ったまま、自宅のベットに横たわり、天井を見上げていた。
自分以外の物音一つしない【この家】に、愛海は住んでいる。
あの出来事から数日経ち、気持ちは落ち着きを取り戻しつつあったが、納得はできない状態が続いていた。
あの時、【愛海だけ】が生き残れたのも異能の影響だったということなのだろうか??
考えれば考えるだけ、謎が深まり、答えが導けなくなる…
鏡に映る自分の顔を見て、ため息がこぼれる…いつにもまして、ひどい顔だ!!!柊と白凪に会った日の夜から数日泣きまくったせいか目は赤く腫れていた…
―僕は、研究所に先日行ったんだが、ひどい有り様だった。あそこが自分たちの生まれた場所とは正直、思いたくなかったね。試験管がいくつもあったから、たくさんの人形が作られていたのは間違いない!!!―
白凪の言葉が真実なら、まだたくさんの人形がいるということだ!!!
―そして、ブラックボードに書かれていた文字が手がかりなのは確かだ!!!反射、雷撃、氷結、時間停止、精神操作…他にも候補があったのか、【消し跡】があった。なぜか赤文字で書かれていた崩壊!!!そして、人形計画と書かれた紙…まだ、憶測だが、これらの人形を作る計画だったんだろうね。だけど、あの様子なら、失敗に終わったんだろうね―
もしかしたら、違う人形が生きている可能性がある。そう思うと、いてもたってもいられなくなり、とりあえず、行動することにした。
白凪にもらった地図を頼りに、研究所を訪れた。もう使われていないようで、たくさんの機材が、ごちゃごちゃと山積みになっている。割れたガラス片も至る所にあり、完全に廃墟のような状態だった!!!
テーブルの上には、たくさんの資料があり、いくつか目を通すと、中に、愛海のデータが書かれた紙を見つけた!!!
―唯一の完全体人形になりうる存在―なんとも意味深な内容が書かれている。
さらに、内容を読み進めていくと、新たなる事実が書かれていた!!!
―人形は、全て遺伝子組み換えによるクローンである!!!―
「あれ?ここは立ち入り禁止なんだけどなー」
声がして、反射的に後ろを振り返った!!!迷彩服を着ている女子がいた。
個人的な意見にはなるが、話し合いができそうな雰囲気ではないといえる…