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第四話異分子

コルトアカデミーの放課後、俺たちは洞窟の前に立っていた


「ではこれより平民チームと貴族チームの決闘を行う。ルールの再確認だ。ルールはそれぞれ十人チームで洞窟に入り奥の行き止まりになってる壁にこの短剣を先に刺した方の勝ち。間違いないな?」


「はい」


「間違いないね」


「最後に、お互い妨害は無し、出てきた魔物に対してはそれぞれが討ち取ること。私とルキは本当に危ない時に助けるから。」


俺は青い短剣をシュウ君に、赤い短剣をゲールに渡した。

それと同時に両チームは洞窟内へ走り出した。俺とロレッタ、そしてリサさんはその後ろに付いていく


「リサ、ここは危ないわよ?」


「いえ、起こった事を全て記事にするので私も行きます。危なくなったら助けて下さいね?」


「わかったわよ、ジャーナリストの卵はとても肝がすわってるのね」


(ここにはそこまで強い魔物はいないから基本的には大丈夫だろ。あのイベントまでは暇かな)


ここでは未来の勇者であるシュウ君の覚醒イベントがある。俺の目的はそれを無事にやり過ごすこと



―――――――

洞窟をかなり走り、両チームは同じタイミングで奥の開けた空間に出た。


「ここだね」


「まさか平民がここまで粘るとは。しかし、勝つのは貴族だ!」


ズズズズ…………


シュウ君とゲールが走り出そうとした瞬間に地響きが起こった。


「地震!?」


「でもなんで!?」


「何かくる!」


ゲール、シュウ君、ロレッタとそれぞれが感じた物を述べていた

そしてロレッタが感じたモノはイベントに欠かせないモノ。


「嘘だろ………なんでこれが…」


古代の(アンティーク)魔物か。古の魔物である

この洞窟で長い間眠っていたのだ。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「全く……落ち着きなよ」


突然五体もの古代の魔物の出現にゲールがパニックを起こし、無差別に魔法を放っていたのでソフトボール大の水球をゲールの顔に浴びせた。


「さて、いいか!古代の魔物の出現により貴族と平民の決闘は中止だ!とにかくこいつらを無効化して脱出する!あれは古代の魔物犬型(ハウンドタイプ)だ、図書館の資料を信じるならそこまで強くはない!貴族は平民を守りながら最低限の応戦!いいな!?」


「はい!」


ゲール以外の貴族は俺の指示に従ってくれて、平民を守るように陣を取った


「ルキさん!俺たちも戦います!」


するといきなり古代の(アンティークハウンド)(この呼び方が一番流通らしい)が俺達の方に走ってきた


「ノーム。頼む」


走ってきたがノームの精霊魔法で小さな壁を出して躓かせた。


「シルフ。いくぞ」


躓いてる古代の犬の首にかまいたちを打つがそこまで効いてない


「サラマンダー」


同じ奴の同じ所にソフトボール大の火球をぶつける


「あー……はぁ……ロレッタ、お願いね」


「任せてサラマンダー!」


ロレッタの放った業火は転けている古代の(アンティーク)(ハウンド)を燃やし尽くした。すげぇ火力だな


「俺達はここで守られるしかないのか……」


ダララララダン!

「第一回!精霊魔法講座ー!」


「ルキさん?どこから取り出したのですか?そのドラム」


「シュウ君以下平民君、精霊魔法は精霊との会話だ、精霊を感じろ、感じるまでの間は俺達が守ってやる」


ヒントは与えた、後はどのタイミングで覚醒するか


「ルキさん!こっちがもちません!」


「くっ……ロレッタ!」


右側が押されているためロレッタに援護いかせたが……あまりよろしくないな。


バチッ……


ん?


バチチッ


この音は!


「ルキさん!」


「シュウ君!できたのか!」


「はい!行きます!」


シュウ君から放たれた雷は的確に古代の犬をショートさせていき、俺の所まで雷が迫ってきた


「なんでだ!?このナイフか!くそっ!」


後ろにはリサさんが居たため、ナイフを捨ててリサさんを抱くように避ける

雷はナイフの方へと曲がっていき、俺もリサさんも無事だった


「リサさん大丈夫だった?」


「あ、ありがとうございます……」


「ルゥキィー……」


近くから熱と共に殺気が飛んできたのでそっちを向くとロレッタがこちらを睨んでいた……


「えーと?ロレッタ?なんで怒ってるの?」


「私が頑張ってたのにリサさん押し倒してるからでしょ!」


押し倒してる?冷静に状況確認するとリサさんの上に俺がいて、押し倒してるように見える……


「誤解だ!ロレッタ!これは雷を回避しようとした結果であり!やましい気持ちはこれっぽっちもない!」


「そ、そうです。ロレッタさん!私はルキさんに助けられただけです!」


ロレッタは許してくれたのか熱と殺気をしまって顔を背けた。

一応場を確認すると、雷によってすべての古代の犬はショートしていた


「……頭撫でてくれたら……許す。」


「ん?ロレッタ?何か言った?」


「頭撫でてくれたら許して上げる。だから頭撫でろ!」


ロレッタが俺に飛びつくように、というか飛びついて来た、頭がちょうど撫でやすい位置にあるのは狙ったのだろうか


「…………」


「ロレッタさん笑顔ですねー」


リサさんの声ではっとしたのか急いで立ち上がって出口に歩いていった


「さぁみんな、勝負はお預けだ、俺達も帰ろう」


立ち上がろうとすると俺のいた足場にヒビが入る……確かこのイベントはシュウ君が戦闘終了後地面が崩れて地下で女の子を見つけるイベントだったはず……

そんな俺の心を読んだように地面が崩れ落ちる。地面のしたに鉄のようなもので作られたスロープが出来ていた


「ルキさん!?」


「ルキ!」


シュウ君とロレッタの声をBGMにスローブを滑り降りる。

滑り終わり、尻餅をついてまわりを見ると装置の中に女の子が入っていた。


「……誰だ…………この娘は……」


前シュウ君が出てきた時はガイノイドである少女を連れて出てきてた。


「なのにこの子は……ガイノイドじゃない!?どうなってるんだ?」


装置の前で声を上げすぎたのか装置の中で眠っていた少女が目を覚ましてこちらを見た


「……ご飯?」


「は?」


少女が機械から出てきて第一声が「ご飯?」ってなんだよ!?いやそもそも色々と狂い出してる?前とはかなり変わったと考えていいだろう


「えっと、君の名前は?」


「ミィ……ねぇ、お兄さん」


「俺はルキ、よろしく。それで何?」


「血、頂戴」


ミィと名乗った少女はいきなり俺の肩を背伸びして掴むと口を開けた。そこには2本の鋭い牙が見えた。そしてこれまでの会話から推理するとこの子は吸血鬼?


「ミィ少し待て、質問いいか?」


「?いいよ」


「1つ目にミィは吸血鬼なのか?」


「うん。そうだよ。それも真祖だよ?」


吸血鬼の真祖……文献で読んだだけだだから詳しい知識はない


「2つ、血を吸ったら吸われた奴は死ぬのか?」


「ううん。吸う量次第だけど基本は死なないよ?」


この質問には首を振った。つまり吸われても大丈夫ではあるのか


「わかった。ミィ、俺もまだ死にたくはないんだ。だから、死なない程度にならいいぞ?」


「!」


座って首筋を見せると釣られるように近づいてきて首筋に噛み付いてきた


「……美味しい……こんなに美味しいのは初めて……」


「…………そろそろいいか?ミィ?」


しばらくしてミィに声をかけるとはっとして離れた。少し申し訳なさそうにしている


「あ、ごめんなさい、少し吸いすぎちゃった」


「生きてるなら問題ねぇよ……」


上に戻るためにスロープを上ろうとすると袖を掴まれる。振りほどく理由にもいかないので振り向くと寂しそうな顔をしたミィが見えた


「ルキ行っちゃうの?」


「学園に戻らないと行けないしな」


「私も行く!いいでしょ?」


「まぁ、なんとかなるだろ。よろしくなミィ」


ミィの頭を撫でると笑顔で抱きついてきた


「飛ぶよー」


ミィに捕まって地下から脱出する。地下から出ると全員がこっちを見ていた


「ルキ!貴様そんな小汚い小娘をロレッタ君に近づけるな!細菌がついてロレッタ君が病気になったらどうする!」


「ルキ……その子は?」


外野でゲールがなんか言ってるがそれよりも威圧感が半端ないロレッタのが重要だ……最悪こんがり肉だ


「地下で見つけたんだ。懐かれちまったし、学園に連れていこうかなって」


「まぁ、ルキなら間違い少ないだろうから別にいいけど……」


「これからよろしくね!」


まぁ、ロレッタはわかってくれるから威圧感はすぐに無くなるんだよな。

ミィのサイズ的に妹ができたみたいで少し嬉しいんだよな

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