表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人ぼっちな私と君。  作者: 稀燕
彼女、その心境。
9/16

屍に囲われた、一人の居場所に。

5月中に終わらせるとか言ったけど

無理でした!!

すいませんでした!!





お父さんが?


お母さんが?



死んでた…?





雨が…降ってきました…。


降っていて、気付きませんでした…。


頬に当たって弾ける度、涙を流しているような気はしました。


けれど、泣いて…いません。


泣いては、いけませんから。



「…犯人は、捕まっていない」



ぼんやりした頭の中でも


おばさんは


おばさんの声は、冷静でした。



「だって、あいつは…死んだから」



おばさんも涙は流していなかった。


ただ、その顔にあったモノは


怒りと、憎悪だけ…そんな顔…。



「あいつは藍鐘が好きだったらしいけど、藍鐘は私よりも先に結婚してたから」


「…結ばれぬ恋だって、言ってたけど…それはあいつの妄言で」


『本来は自分と結ばれるはずだった、ただ寄り道してるだけだって』


『いつか、愛想を尽かして戻ってくるから』


『だから…待ってる』



「あいつの遺したメモの寄せ集めにそんな事がびっしり書かれてて…ぞっとしたわ」



だから、あんな事を言ったの?



「……キミは、お母さんにそっくりで…とても可愛いよ」

「!!」




昔、遊びに来てた風由おじさんに言われたことがある。






「おかあさんにそっくり?ほんとう!?」

「あぁ、本当だよ。君もいつか…彼女にそっくりな綺麗な姿を見せてね?」

「うん!!」






彗翡は、お父さんとお母さんがいなくても


率先して煌生を見ていたから…寂しそうに見えなかったから


何でだろう、私だけが寂しがりやに見えちゃう。


それは、ダメな事だから


困らせないように、笑ってなきゃ






「だからでしょうか、一番一緒に居てくれた風由おじさんしか…」


依存するように


「もう居場所が無いように思えて」


だから


「あの日も」


あのヒ、あのバショ、あのジカン


「“私”が居なくなるまで、おじさんしか信じられなかった」




そうだ、そうだった…の…ですね。




「…思い出したのね?あの事件の、記憶を…」

「……はい」




おじさんが私を連れて行った記憶も


おじさんが目の前でお父さんを刺した事も


お母さんが、私を庇って…刺された記憶も。




全て全て、思い出しました…




「なんだか、一人ぼっちだったのに…更に一人ぼっちになった気がします…」


足元には死体の山が


「…ずっと、私が両親を殺したのだと…思っていました」


空にはおじさんの高らかな嘲笑が


「…一つ以外の全部は、違ったんですね」


目の前には、闇と悪臭が広がるだけ


「…ただ」


私の居場所はここだけ


「私が、あの時…着いていかなければ…両親は…死ななかった」


もう動けない。


「だから」


だから


「私は…やっぱり罪人だった」























「違うね」






















「!?」

「だ、誰?」




冷たい雨の中


膝から崩れ落ち


雨に濡れて、罪を受け入れて…楽になろうとした


そんな私を


引き止める


聞き慣れてしまった声が


聴こえて…しまいました。




「代…羽……くん?」








ただ一つの、希望を持った


彼の、声を。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ