Love2..君が消えた朝
─次の朝。
「ん〜、朝だぁ!みるくおはよう♪」
いつものように寝起きの私の上にみるくが乗っかってくる。
「そうだ…綾人っ!」
ピコピコピコ…
あれ…
私の携帯に"綾人"がいない…?
「綾人、綾人、あ行でしょ…あれ?え?何でないの?えっ?」
電話帳の中を探索機能がぐるぐると回わる。
軽いパニックだ。
この小さい携帯から"綾人"が消えていた。
一体どういうことなのだろう。
そういえばこの部屋、実家の私の部屋に似ている。
模様替えなんていつ…
「咲良っ!いつまで寝てるの!今日から冬期講習でしょ?さっさと朝ご飯食べて支度しなさいよ?」
「ママ…?」
「ママです。さっさと起きる!」
ママだ!
どうしてママがいるのだろう。
私、大学生になったんじゃなかったっけ…?
きっとまだ寝ぼけているのだろう。
訳が分からないまま着替えて家を出た。
「とにかく早く綾人に会わなくちゃ…っ!」
レトルトのカレーありがとうって伝えるの。
それとプリンも。
それから…
「咲良おはよう!寒いねぇ!」
「桃華!?どうしたの?東京の専門に受かったんじゃなかったの?!」
彼女は中・高とずっと一緒だった仲良し子ちゃんだ。
「何言ってんの〜?(笑)受験疲れかい?咲良ちゃん。」
「でも…」
「だいたいまだ地元と東京のどっちにするかも決まってないし〜!」
何かが変だ。
いや、私が変?
いや、そんなこと…
私だけがこの瞬間、この空間に、生きていない…?
未来から舞い戻ってきてしまったの?
「綾人…ねぇ、綾人知らない?!」
私は桃の腕を力いっぱいつかんでいた。
「綾…人?誰それ?え、え、咲良いつの間に彼氏できたの!?誰々〜♪?」
「いや、あの…っ!」
ねぇ、綾人。
どこにいるの?
私を今すぐ見つけてよ。




