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     3 セカンドミッション

「さてと、ここにいんの?」

「ああ、ここ泉の底」


 歩くのだるいから近距離転移で泉の前に到着。そしたら何故か朋弥も隣にいた。こいつどうなってんの?


「それじゃ、やりますか」


 泉の中に手を浸して、とあるものを掌握する。よーし、準備完了。


「てかさ、この泉って他なにいんの?」

「いや、30メートル級の奴がいんだからそいつの餌」

「……ようはさっきのクソムシいるわけ」

「あのくらいのサイズならいんじゃね?」


 はあ……まあ、いっか。


「てか、何やる気だよ」

「みてりゃわかるわよ」


 掌握物滅却、大気中のマナを掌握して圧縮、そして属性付加。


「……は?」

「酸素滅却程度じゃ話になんないだろうし、とりあえず電気流してみた」


 そのせいで泉がバチバチいってるし。

 

「あ、きたきた」


 言ってる先からなんかあがってきた……は?


「……見間違いじゃなかったらさ、あれなんだけど」

「まあ、見間違いじゃねぇな」


 泉からあがってきたのは、間違いなくさっきのクソムシ。しかも量もあればデカさも桁違い。


「なんかさ、ククールとかいうのあがってこないんだけど。そもそもこいつら異常じゃない?」

「まあ、異常っちゃ異常だな。こいつら水の中で生きていけないはずだからな、目の前にいること自体異常だ。そもそもこいつらここまでデカくない」

「ぱっとみ3倍くらい?」

「だな。来るぞ」


 朋弥の声と同時に、さっきのクソムシの3倍バージョンが襲ってきた。


「あーもうっ、メンドイッ」

「てか、これククールいんのか? ワームに食われてんじゃねぇの、これ」

「ちょっと、それじゃ眼球えぐれないじゃないのよ」

「まあ、そうなるな」

「あああああッ、ふざけんなこのクソムシッ!!!」


 掌握するマナに際限なんてしない、掴めるだけ掴んで圧縮の限りを尽くして属性付加。


「な、おま、待てってッ!?」

「消え失せろ」


 バチバチと帯電音を立てたソレをクソムシに放つ。もちろん、跡形もなく消し飛ばす。


「あん時もこのくらいの威力で撃てばよかった」

「……俺死ぬだろ。てか、肉片も残ってねぇじゃねぇか」

「当たり前でしょ。残すつもりなかったんだから」


 目の前にいた胸糞悪いクソムシは肉片も残らず消しとんだ。うん、消しとんだのはいいけど……。


「水中の酸素滅却して電気流したのに、あのクソムシ以外あがってこないってどういうことよ」

「アイツ以外いないって事は、全部アイツのエサになったってことだろ」

「……じゃあ何、ここってあのクソムシしかいないわけ?」

「水中適応した所を見るとそうっぽいな。ククールも絶滅してるっぽいしな」

「……」

「……」



 朋弥を睨み上げたら顔をそらされた。


「で、承認試験のターゲットが絶滅してんにどうなんのよ」

「さ、さあ? 前例ないし」

「そんなの知らないわよ」


 あー、イライラする。この泉ひあがらしてやろうかしら……?


「ねー、見間違いじゃないといいんだけど」

「あー、見間違いだといいなぁ」


 干上がらせてやろうと思って泉に近づいたら、底の方からなんかウネウネしたものがものすごい勢いであがってきた。


「なんか、量おかしくない?」

「軽く100越えてるよな、あれ」

「……アレ相手するのいやなんだけど」

「同感。逃げるか」


 泉からクソムシがあふれ出してきたと同時に、転移魔法で一気にその場から離れた。


「で、なんであんたはついてこれるわけ」

「さあな」

「殺すわよ、あんた」

「んな事よりきてるぞ後ろ。しかも量マシで」

「なんなのよここはあああああああッ!!!」


 振り返るとさらに量が増したクソムシの群れが土煙を上げてこちに向かって着てる。


「よっしゃ門開いた、飛び込めッ」

「言われなくてもそうするわよッ!!」


 目の間に開いた門に飛び込んだ。振り返った先には地面からさらには出てきたクソムシの群れ。何をどう考えても、ラグジュアブールはデスワームの巣窟になったみたい。


*** *** ***


「は? 依頼?」

「ラグジュアブールの件伝えたら依頼されたんだけど」

「……何を」


 門をくぐって戻ってきた私らは、いちもくさんに受付にかけ込んだ。内容? もちろんクソムシの件。

それを受付で話すと、カウンターにいた受付嬢はなにやら機械をいじってじばらくすると、なにやら真顔になって、しばらく受付前のソファで待ってろとのこと。そんで、おとなしく待ってたら朋弥が呼ばれて戻ってきたら依頼がどうたらと。


「デスワームに関してはなんともないけどさ、依頼が依頼なんだよなぁ」

「だから、その依頼って何よ」

「ラグジュアブールに住んでる唯一の獣人、ラピス・グレコールの救出。危険難易度はデスワームの具合をみてCランク。一応、マリアも俺の付き添いってのが条件で受けられるレベルだな。で、どうする」

「どうするって、どうすんのよ」

「依頼、受けるとはまだ言ってないし断ろうと思えば断れる。まあ、断ったところでそのラピスってのがどうなるかは、目に見えてるけどな」


 ……はぁ、何それ。


「で、そのラピスって奴の容姿は」

「ほらよ」


 渡された紙束にはラピスって奴の詳細と顔写真がついてた。


「獣人ねぇ、見たところ猫かしら。しかもこの子、何歳?」

「そこ書いてるだろ、16って」


 ふーん。

 まあ、まとめると


『ラピス・グレコール、性別女。ラグジュアブール在沖の唯一の獣人』


「あー、あれ考えると鬱になるわ」

「通行料また払うのかよ」






「でも、まあ」

「だな」


「「さくっと片付けますか」」


お久しぶりです。そして久々の更新。

このまえ短編更新したんですけど、連載物は久しぶりです ・ω・


はい、今回の話は害虫駆除のお話し・・・・・・・・じゃなくて、マリアの承認試験の続きです。まあ、クソムシのせいで変な方向にいってるんですけれども。


では、次回!

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