2 ミッションスタート
「ほいついた」
「……」
「おい」
「何」
「何じゃねぇだろ、なに装備はずしてんだよ」
「こんな紙切れみたいなのあってもなくても同じでしょうが」
そもそも邪魔だし。
さてと、ラグジュアブールって言ったっけここ。うん……。
「なんもないとこじゃない、ここ」
「そりゃ、ラグジュアブールの荒野だしなここ」
荒野って……ん?
「なにこれ、地鳴り?」
「くるぞー」
まあ、足元になんかいるのはわかるけど。ティアにも似たのがいるし。
「で、これの名前何」
「なんだっけ、たしかデスワームじゃね?」
飛びのいた地面から体長20メートルくらいの触手を、口らしき部分からはやしたワームが出てきた。気持ち悪い造型なことで。
「で、なに。これ殺せばいいわけ?」
「あー、説明してなかったな。シーク資格譲渡規約として、ラグジュアブールに生息してる『ククール』の瞳を持って帰るのが条件な」
「……こいつの名前、なんだっけ」
「デスワーム」
飛びのいた先からとぐろを巻いて、触手をうねらせながらこっちをみてるクソムシを見ながら一応聞いてみる。うん、オッケー。
「……うせろ」
マナを掌握して圧縮、属性付加。
「炭化するまで焼くか? 普通」
朋弥が炭化したクソムシを感慨深そうに見てる。まあ、知ったこっちゃない。
「当然でしょうが。で、ククールってどこいんのよ」
「あっち」
「は?」
「あっちにある泉の底」
朋弥が指差した方向には、確かに泉がある。あるけ、今コイツ底って言わなかった?
「そのまえにさ、ククールって何」
「30メートルくらいあるデカイ両生類」
「で、その眼球抉り取って持っていけばいいわけ?」
「眼球って……まあ、必要なのは眼球の中にある紅玉な」
眼球の中に紅玉ねぇ……アミールの眼もそんな感じだっけ。
まあ、アミールの方がかわいいけど。
「その両生類って泉の底にいるんでしょ?」
「ああ」
泉の底ねぇ……どうやって引きずり出すかなぁ。あれとかこれとかあんなんもいいだろうけど、うーん。
「何考え込んでんだ?」
「泉の底からどうやて引きずり出そうかなぁと」
「いや、別に引きずり出さなくてもいいけど」
「は?」
「いや、さっき両生類って言ったろ? 息吸いにあがってくるから」
「……30メートルもあるのがいつ、あがってくんのよ」
「一回吸いに来たら三日くらいは持つな」
よし、決めた。
「引きずり出す」
「待つって選択はねぇのかよ」
私は、一刻もはやくティアに帰りたいのっ!
はい、2話です。
ターゲットの名前が判明しました、ククール。
なのに出てきたのはワームです。マリアブチ切れですね、はい。
ククールの眼球の中身が必要なわけですけども、必要なわけですけども!
まあ、うん。
では次回!
紅玉がそう簡単に手に入るんですかねぇ、今回。