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満載グリム童話・昔話集:その重みに耐えかねて  作者: イグアナ


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紅き外衣を纏う巨大な影 〜242.35426354cm Little Red Riding Hood〜

 むかしむかし、あるところに、とっても可愛いけれど、とっても見上げるほど背の高い女の子がいました。

 おばあさんに作ってもらった赤いビロードの頭巾を被っていましたが、その頭巾を作るには一反(約十メートル)もの布地が必要でした。

 赤ずきんの身長は、正確には二四二・三五四二六三五四センチメートルありました。

 彼女が一歩踏み出すたびに、地面には深い足跡が刻まれ、その歩幅は「二百万人のヘンゼル」が一生懸命に作ったパンの舗装路を二、三歩で踏み抜いてしまうほどでした。

 ある日、お母さんが言いました。

「赤ずきん、おばあさんの家までお見舞いに行ってちょうだい。道からはずれてはいけないわよ。転んで瓶を割ったら大変ですからね」

 赤ずきんが「はーい」と返事をすると、その肺活量から放たれた風圧で、台所の食器がすべて吹き飛びました。

 森の中で、狼に出会いました。

 狼は「どこへ行くんだい、赤ずきんちゃん」と声をかけようとしましたが、見上げた先にあるのは、杉の木と見紛うばかりの巨大な赤い塊でした。

 狼がどれほど口を大きく開けても、赤ずきんの「精密な計算に基づいた巨大な足首」すら飲み込むことはできません。

 狼は先回りしておばあさんの家へ行き、おばあさんを一口で飲み込みました。

 やがて赤ずきんがやってきて、寝床の天蓋を突き破りながら腰を下ろしました。

「おばあさん、おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの?」

「お前をよく見るためだよ」

「おばあさん、おばあさんの口はどうしてそんなに大きいの?」

「お前を食べてしまうため……」

 と言いかけた狼は、絶望しました。

 赤ずきんが立ち上がると、屋敷の屋根が音を立てて崩落し、二四二センチの質量が狼を見下ろしたからです。

「おばあさん、私の拳はどうしてこんなに大きいの? それは、あなたを粉砕するためよ」

 赤ずきんが放った一撃は、狼を突き抜けて地面にクレーターを作り、その衝撃波で「九人のかぐや婆」がなぎ倒していた竹林の残骸をすべて粉塵に変えました。

 通りかかった猟師も、あまりの巨女の迫力に、持っていた鉄砲を捨てて「一千万人の精密法師」の列に紛れて逃げ出しました。

 こうして赤ずきんは、おばあさんを狼の腹から取り出すと、そのままおばあさんの家を背負って村へと帰りましたとさ。

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