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満載グリム童話・昔話集:その重みに耐えかねて  作者: イグアナ


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12/17

硝子の摩天楼と百人の重質量兵器 〜50m Cinderella Centum〜

 三八一センチの鬼たちが、桃太郎のドーピング獣軍団を全員裏切らせ、勝利の咆哮を上げていた、その時でした。

 水平線の彼方から、雲を突き抜ける「百本の巨大な柱」が、海を引き裂きながら接近してきました。

 それは柱ではありませんでした。

 身長、正確に「五〇・〇〇〇〇〇〇〇〇メートル」。

 一千万人の精密法師たちが、その巨大すぎる足首を計測しようとして、あまりのパースの狂いに計算機を爆発させた、「百人のシンデレラ」の軍勢でした。

 彼女たちは、かつて灰を被り、不当な労働を強いられてきた怨念を、五〇メートルの高密度筋肉へと変換していました。

 一人が一歩踏み出すたびに、津波が発生し、「十万人の乙姫」が潜む深海要塞にはマグニチュード八・〇の地震衝撃が直撃しました。

「あら、そこに転がっている小さな『石ころ』は、何かしら?」

 最前列に立つシンデレラが、三八一センチの鬼の首領を見下ろして微笑みました。

 鬼にとっては絶望の象徴であった三八一センチという巨躯も、五〇メートルのシンデレラにとっては、靴の裏に付着した「砂利」にすら満たないサイズでした。

 一人のシンデレラが、自らの足に輝く「高硬度・特殊強化硝子の靴」を脱ぎ捨てました。

 その靴一足の重量は、「二百万人のヘンゼル」が一生をかけて食べる小麦の総質量を遥かに凌駕する、数万トンの質量弾でした。

「十二時の鐘が鳴る前に、この島を『平面』にしてあげるわ」

 時速マッハ五で振り下ろされた「五〇メートル級の回し蹴り」は、大気を圧縮して核爆発にも似た熱線を放射しました。

 三八一センチの鬼たちは、自慢の金棒を振り上げる暇もなく、シンデレラの「硝子の靴」の衝撃波だけで分子レベルまで粉砕され、鬼ヶ島という地形そのものが地図から消失しました。

 その衝撃の余波は、一八二センチの「星の金塊」が積み上げた黄金の山をドミノ倒しのように崩し、はるか遠方の「ラプンツェ・パンジー要塞」の跡地にまで、不浄の塵を巻き上げました。

 百人の巨女たちは、灰(プロテイン粉末)を雲のように撒き散らしながら、次なる「整地」の対象を探して、この狭すぎたカオスバースを闊歩し始めました。


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