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満載グリム童話・昔話集:その重みに耐えかねて  作者: イグアナ


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桃源郷の禁薬と三八一センチの絶望 〜The Doped Chimera vs 381cm Onis〜

 むかしむかし、あるところに、川上から流れてきた「直径三メートルの巨大な桃」を、素手で引き裂いて生まれた男の子がいました。

 彼の名は桃太郎。生誕の瞬間に放たれた産声は、「二百万人のヘンゼル」が上げた叫びと同様に、近隣諸国の鼓膜を物理的に破裂させました。

 成長した桃太郎は、絶海に浮かぶ「鬼ヶ島」へと進軍しました。

 そこに待ち構えていたのは、身長が最低でも「三八一・〇〇〇〇〇〇〇〇センチメートル」を超える、岩石のような皮膚を持つ一万匹の鬼たちでした。

 三八一センチの巨躯から放たれる金棒の一振りは、一振りごとに「九人のかぐや婆」がなぎ倒した竹林の残骸を塵へと変え、局地的なソニックブームを巻き起こします。

 普通の人間なら、その巨大な影を見ただけで心臓が停止したことでしょう。

 しかし、桃太郎の腰には、禁断のバイオテクノロジーの結晶「特製・高濃度きび団子」がぶら下がっていました。

「さあ、お食事の時間だ。お前たちの『野生』を、分子レベルで再構築してやれ」

 桃太郎が団子を投げ与えたのは、ただの犬、猿、キジではありませんでした。

 それは、シベリアから連行された「一二〇〇キロの巨大ヒグマ」、ナイル川を支配する「六メートルの人喰いワニ」、群れから追放された「暴君ライオン」、そして「百万匹のマッチ売りゴリラ」の同族でありながらより戦闘に特化した「戦闘用ゴリラ」の四頭でした。

 きび団子を摂取した瞬間、四頭の獣たちの血管は「十万人の乙姫」が管理する高圧ホースのように膨れ上がり、筋肉の密度はダイヤモンドをも噛み砕く硬度へと変貌しました。

 激突は、もはや「退治」ではなく「怪獣大決戦」でした。

 ドーピング・ゴリラは、三八一センチの鬼の首根っこを掴んでジャイアントスイングを繰り出し、その回転エネルギーで「パンのアスファルト道路」を三キロにわたって削り取りました。

 ドーピング・ヒグマは、鬼の腹部を時速百キロの爪で引き裂き、内部の臓器を「一千万人の精密法師」が解体するよりも速い速度で撒き散らしました。

 

 一時は、ドーピング獣軍団が三八一センチの絶望を圧倒するかと思われました。

 しかし、鬼たちは単なるデカブツではありませんでした。

 彼らは、桃太郎が連れてきた獣たちの「限界を超えた筋肉の崩壊」を見抜いていました。

「……薬の効き目が、切れたようだな」

 三八一センチの鬼の首領が、一トンの金棒を軽々と振り上げました。

 その瞬間になんと動物たちは全員裏切りました、そして動物たちは逃げ出したのです

 

 善戦の報いは、無慈悲な裏切りによる「全滅」でした。

 桃太郎は、かつてない絶望の中で、三八一センチの鬼が投げ飛ばした金棒が、はるか遠方の「一八二センチの星の金塊」が積み上げた黄金の山を直撃する光景を、ただ呆然と見つめていました。


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