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前世の記憶を持つ辺境伯爵令嬢は加護持ちの大聖女である事を隠し、王太子殿下から婚約破棄された後に隣国の幼馴染の王太子の元へ嫁ぎます。  作者: 榊原 レンガ


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帝国軍がリディアス伯爵領に侵攻した来た。

この作品を選んで、お読で頂きありがとうございます。

この物語はフェイクションです。


物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 ディバーン王国を建国し帝国から独立を宣言した書簡を皇城に送り、一週間が経過し雪が降り始めて漸く帝国軍が侵攻してきたのを確認した。


私とサンディはシルビとルティの背に乗ってリディアス伯爵領に応援に行くと、私は伯爵領軍の陣頭指揮を執り魔導砲を3門を作動させて帝国軍が来るまで待機をする。


「う~ん、快適だわ、この赤い色の魔法石のペンダントは最高ね、うふふ」

私は真冬でも温かくする赤い魔法石のペンダントを首に着けてご機嫌でいる。


 私は暢気に雪の降る景観を楽しんでいると森の間の街道から帝国軍の先頭が見えて来ると、伯爵領軍の見張りの衛兵が鐘を鳴らし、大声張り上げて仲間達に知らせる。


カンカンカン、カンカンカン・・・・・


「帝国軍が進軍して来ました。戦闘準備に入れ!」


「うふふ、来たわね、どこまで引き付けるかしら、う~ん5千くらいか」

私は直ぐさま魔導砲の発射の準備態勢を執り標的を合わせる。


「まぁ、最初だから怪我人が出る程度だとこのくらい手前で良いかな、ヨシ、ポッチとな」

私は先頭集団のかなり手前に標的を合わせて威嚇発砲をする。


うぅぅぅーん、ズートッン・・・・・ドッカン ウッワー・・


「あら、出力を押さえたはずだけど想像以上に威力があったわね、まぁ、良いかな、どれどれ、ほぇ~、先頭集団が消えてるわね、吹き飛んだかしら」

私は魔導砲の威力が想像以上だったのでチョッと驚いたけど、砂煙れと爆炎で見えないので様子を見る。


砂煙と爆炎で敵軍の様子が見えないけど気にしても仕方がないので、視界が効くまで待つこと5分で見えたきたら先頭集団の居た所には誰もおらず、かなり後方の列まで武装した騎士達が倒れ込んでいた。


「は~い、帝国軍の皆様、ようこそお出でになられました。死にたい方はその場にいてください。第2射を発射致しますよ、撤退するなら5分待ちますから怪我人を運んで撤退して下さい」

私は魔法で声を拡声して帝国軍に通告すると、帝国軍はわさわさと慌ただしく動き出して負傷兵を運び出して撤退していった。


 魔導砲の威力を見ていた領軍の騎士達も唖然として惚けていて、帝国軍が撤退したのにも関わらず黙り込んで立ち尽くす。


「アディナ妃様、さっきの爆発音は例の魔導砲ですかって、随分とデカい穴が街道に開いてますけど、帝国軍は撤退したのですか」


リディアス伯爵様が私の所に来て魔導砲の向いた位置の先を見て、驚き表情をしながらも平然さを装い私に聞いて来た。


「アハハ、魔導砲一発で撤退してくれましたわね、かなりの負傷者が出たみたいです。うん、これで帝国側もおいそれと侵攻してこないでしょう」


「あの、因みにディアント王国の国境に配備されているのは、これよりも大型のなのですよね、なんかゾッとしますよ、あの大穴を見ると」


「えぇ、そうですわね、でもこれでも出力を半分くらいに抑えたのですけど、正直言って私も驚いてます。威嚇発砲の心算でしたのにね。まぁ、良いかな」


私はこの後、直ぐに魔導砲のキーを切って誤射しない様に作動を3門ともキッチリ切ってキーを抜いてリディアス伯爵にキーを3個預けて伯爵の屋敷に戻る。


 皇城に帝国軍撤退の報は翌日の朝に皇子二人が居る執務室で知らされて、皇子二人が執務机に悔しそうに両手で叩き怒りを露わにする。


「何だよ、威嚇発砲だけで千人が負傷だとしかも先頭にいた武装騎士達が重度の火傷を覆い、吹き飛んだ勢いで骨折だと、何なんだ何時そんな兵器を開発したというのだ」

ランディス皇子は報告書を呼んで苛立つ。


「これが本当なら下手に派兵出来ない。追加で派兵すれば兵力が減ってしまうぞ」

ケイディスはまさかの事態に途方に暮れる。


「それよりもだ。国庫に金が無くなるぞ、これから冬を迎えると言うのに、どうやって超せばいい資金も物資も全然足りなくなるぞ」

ランディスは勝てると思い込んで大金をはたいて派兵したはずなのに、撤退という報を聞いて財政難に一気になり物資を購入する資金が枯渇寸前となる。


「クッソ、アディラナとレティナの仕業か、いつの間にか居なくなっていたからな、そんなに婚約破棄させられるのが嫌だったのか、あんな男のどこが良いだよ」

ケイディスはアディラとレティナの二人の妹に怒りを露わにする。


「あぁ、ただ昔から側室の子だと虐めていたからな。その仕返しもあるのかもな。そんなに有力貴族の側室が嫌だったのか、クッソ、側室の娘なんだから別に良いじゃないか」

ランディスは側室の娘の癖に、自分達の言う事に逆らった事に怒り心頭であった。


 ランディスとケイディスは事の次第を母親の皇妃ディスラナに相談する為に私室へ向い、ノックしてから部屋に入り相談をする。


「母上、リディアス伯爵領への進軍に失敗しました。どうしたら良いでしょうか」

ランディスはストレートに皇妃ディスラナに報告する。


「えっ、何でなの5千の兵力で負けるはずがないじゃない」


「それが、どこからか新兵器を購入したようです。威嚇発砲だけで千人の負傷者が出てしまい、それ以上の進軍を続ければ全滅する可能性が高いという事で撤退したそうです」

ケイディスが事の詳細を報告する。


「それは想定外だわ、困ったわね、このままでは帝都は物資不足でパニック状態になるわ、う~ん・・・・・、ネルクシア侯爵に相談してくるわね」

皇妃ディスラナは想定外の出来事に頭の中が真っ白になり、仕方がなく兄に相談する事にした。


 ネルクシア侯爵は秘かにリディアス伯爵領とディバーン公爵領の乗っ取りを企て、鉱山と造幣工房を手中に収めて帝国を思いのままにしようと企んでいた。


 その様子を見ていた宰相のゲレンズは皇妃ディスラナに密偵を付けさせて、皇妃ディスラナの行動を見張らせ、ネルクシア侯爵の企ての証拠を押さえるようにした。


 皇帝イズラハムは帝国の安定を計る為に貨幣を造幣するリディアス伯爵家に側室の皇子イシリスを婿養子に出して皇族と血縁を強化した。


次に帝国唯一の鉱山を有するディバーン公爵家にも側室の皇女アディラナを嫡男と婚約させたのを婚約破棄に追い込むなどの悪手に出た、


これは明らかに皇帝イズラハムとは真逆の事を息子達にやらせようとした事が皇妃ディスラナとネルクシア侯爵に疑いを掛けられる用意となり、他の貴族からも警戒され求心力を失う結果となった。


 帝国軍が撤退して一週間が経ち、帝都では本格的に雪が降り続き積もり、店頭には食料や日用品などがまばらに並べられて、値も上がり明らかに物不足が深刻化してきて薪すらも不足して来ていた。


帝都以外でも貴族達にすら食料が手に入りにくくなり、皇族に対する不満も貴族からも民からも溜まり、皇城に勤める役人すら給金が滞り始める。


 痺れを切らした宰相のゲレンズはリディアス伯爵に書簡を送り、皇妃ディスラナとネルクシア侯爵の企みを記して各貴族に対しても書簡を送る。


 その間にリディアス伯爵はアディナの指示でハーベスト商会の協力の元で大量の食料と物資を伯爵領に保管し、大量のモンドも用意をして帝都に乗り込むタイミングを計っていった。


 宰相のゲレンズの書簡が届き内容を読み今が帝都に乗り込むチャンスだと思い立ち、リディアス伯爵と皇女の二人と共にアディナはシルビとルティの背に乗って伯爵領に出発する。

お読み頂きありがとうございます。

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