アディナは魚介料理が食べたくて湾岸国ドリニアス王国へ向けて経済戦略を計る為に動く。
この作品を選んで、お読で頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
私のお腹の膨らみも4ヶ月を過ぎるとかなり膨らみ順調に胎児が成長している様で、出産予定日まであと2ヶ月あまりと診断された。
この世界では女性の魔力量で胎児の成長具合が変動するらしく、私の場合は魔力量が膨大ですので妊娠期間が平均よりも一月早まっていると言う事のようです。
私は最近になってどうにも食が進まず、魔物肉主体の料理とは違う海の幸の魚介料理が無性に食べたくなってきているので、何とかならないかと思案している。
「ねぇ、サンディ、最近私ね海の幸の魚介料理が無性に食べたいだけど何とかならないかしら」
私は一人で考えても埒が明かないのでサンディ聞いてみた。
「海の幸、魚介料理?う~ん、海ね、そうなると西側の隣国オフマンディ王国の先にあるドリニアス王国かな、今ならマジックバックがだいぶ普及したから輸送は出来るけどな、う~ん難しいな」
「オフマンディ王国って確か43年間休戦状態が続いてて国交がないのよね、確か一方的に侵攻してきたけど国境線で返り討ちにしたんだっけ」
ディアラナが現在のオフマンディ王国の現状を思い出して話す。
「休戦状態?休戦協定とかではなく、そうなると話合いが行われてないという事なのかな」
「まぁ、そう言う事だね、国境線の傍にオフマンディ王国側の国境の街が無いから、かなり先方の国内の方に行かないとならないからリスクが高いから話し合ってないだよね」
「何それ、国境線を放棄しているのと同じじゃない。なら貰っちゃえば良いじゃないの、取ったもん勝ちよそんなの」
「アハハ、今は森に覆われて魔物だらけだけどね」
「あら、そうなの、オディアニア王国とは、どうなの国交はないのかしら」
「それもダメだね、その同時ね彼方此方に戦争を吹っかけてたから、オディアニア王国でも今も国交は無いよ」
「うむむ、それなら私とシルビとルティで乗り込んで行って、オフマンディ王国の王家を潰そうかしら、その方が早いわね」
「恐ろしい事を言うわよね、アディナ様なら本当にしそうだからね、でも妊婦さんなんだから無茶言わないでよ、いくら奇想天外のアディナ様でも流石にね・・・」
「サンディ、情報が欲しいわね、付き合ってくれない。情報収集しに行きましょうか」
「アハハ、言うと思ったよ、それじゃ、父上に許可を取ってくるよ」
「うふふ、ありがとう、頼んだわね」
「はいはい」
サンディは直ぐに席を立ち、国王の執務室へと赴いて行った。
「本気なの、アディナ様、いくらシルビが居るからって無茶しすぎよ」
「うふふ、暫らくディアラナ様にはルティとお留守番して貰うわよ、執務の方は任せるからね」
「はぁ~、もう貴女って人は、もう・・くれぐれもやり過ぎないでよ、紛争の火種にでもなったら大変だからね」
ディアラナは破天荒なアディナに呆れながらも、何かを期待してしまう気持ちもある。
そんな私の魚介料理が食べたいと言う我儘から始まったオフマンディ王国への情報収集をするという目的ならばと国王ルドルフの許可が意外にもあっさりと下りた。
私とサンディは国王から書簡を預かりサンディと二人でシルビの背に乗って向かって西側の国境の砦をでての森の中をオフマンディ王国の国境より街へと向かった。
「しかし、陛下も意外とすんなり許可が出してくれたわね、正直驚いたわ」
「まぁ、我が国の懸案の一つでもあるからね、それに情報が欲しいのは事実だよ、まぁ、俺としてはアディと二人だげで旅ができるのは嬉しいけどね」
「うふふ、そうなのね、でもこの森って魔物の数はそなりにいるけど、シルビの気配を感じてか避けるように遠ざかってるわね」
「えっ、そうなの、まぁ森なって20年から30年ぐらいの若い森だから、それほど強い魔物が居ないのかな」
「そうね、それもあるのかな、私のシルビ様様ね、シルビに喧嘩売る無謀な魔物ってそうは居ないと思うけどね」
「ガゥー、ガォー」【この世界では龍と凌駕するくらい最強ですから】
シルビはアディナに誇る。
「そう言えば、龍っているのかしら伝承とかで書かれているだけみたいだけど」
「うん、嘗てはイスルプ山脈には聖龍がいたと云う伝承だろ、聖龍が居なくなってしまったから暗黒期が始まったとされてるけどね、ところで、アディ、どうやって交渉する気なんだい」
「うん、交渉?そんな面倒な事はしないわよ、強行突破するのよシルビをフル活用するわ」
「アディ、それって本気かい」
「えぇ、刃向かってきたらね、強気で行くわよ、勿論無駄な殺生はしないけどね、もう昔だけど一度侵攻してきたんでしょ、だったら良いじゃない、こっちからも吹っ掛けてもね」
「はぁ、程々に頼むね、アディは妊婦なんだから」
「はいはい、あっ、もう見えて来たわね、そのまま行きましょうね、シルビ期待してるわよ」
私は街の入場門が見えてきたので、そのまま入場門までシルビに乗ったまま向かう事にした。
「ガゥー」【任せて】
私は入場門の手前でシルビにゆっくり優雅に歩いて門の衛兵の前まで行くと、予想通りに衛兵は後退しながら怯えてした。
「ななんなんだ。化け物なのか」
「あら、失礼しちゃうわ、私の可愛い守護獣のシルビを化け物扱いするなんて」
「き、貴様は何者だ」
「えっ、私はディアント王国のハーベスト商会の会長の命で販路の拡大に来たの通してくれないかしら、出来れば無駄な争いは避けたいは領主に会わせてくれない」
「ガッオー」【主の言う事を聞け】
シルビは空に向って大きく遠吠えをする。
「そ、そんな商会があるのか、領主様に会ってどうする気だ」
「だから、販路の拡大と言ってるでしょう、最終目的はドリニアス王国と魚介類の取引がしたいのよ、ここは通行の要になるでしょう」
「通行の要ってか、チョッと待てくれ、領主様に伺って来る時間をくれ」
「早くしないとこの子を暴れさせるわよ、昔そっちから我が国へ侵攻してきた事は忘れてないからね」
「おい、そんな事をしても良いのかよ」
「えっ、だって国交が無いんだもの関係ないでしょう、それに壊滅すれば分からないし、まぁ、素直に応じてくれれば国交も再開し経済取引するけど、私も必死なのよ、お腹の子為にね」
私は自分が妊婦である事を衛兵に大きくなったお腹を見せ付ける。
「分かった。オッイ誰か領主様に伝えてくれ」
「あっ、行って来る」
慌てて衛兵の一人が魔馬に乗って領主邸へ向かった。
門番と少し世間話をしながら情報収集を行い待つ事半時が経ち、衛兵と貴族らしい者が門に向ってきた魔馬に乗って来た。
「なっ、何て大きい、まさかフェンリルなのか、ところで私が領主のギクラスだ。貴殿は何者だ」
「私はディアント王国のハーベスト商会のアディと護衛で夫のサンディよ、シルビ小さくなって」
「ガウ」【了解】
シルビは領主を睨みながら身体を3mから1.5mほど小さくなる。
私とサンディが降りると再び5m程大きくなって領主を睨みつけると、アディナが領主に交渉を行う。
「うっん、私達はドリニアス王国と魚介類の取引がしたいの、だから貴国には安全に通行が出来るようにして貰えれば良いわ、そうすれば多少たりともお金が落ちると思うけど、どうかしら」
私は本音で相手のギクラスに目的を話す。
そこから相手の話合いが衛兵上の休憩所に中へ移動する事になり、シルビも身体を小さくなり私とサンディとで休憩所の中にあるテーブルの席に座り、領主のギクラスと向合う。
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