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前世の記憶を持つ辺境伯爵令嬢は加護持ちの大聖女である事を隠し、王太子殿下から婚約破棄された後に隣国の幼馴染の王太子の元へ嫁ぎます。  作者: 榊原 レンガ


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国境の街エンディニアから次の街へ出発する。

この作品を選んで、お読で頂きありがとうございます。

この物語はフェイクションです。


物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 私達は領主様かと思ったら代官でこの街を管理をしているイズニドス男爵と言う方で、男爵は王都の王城に書簡を送って救援要請を出したそうです。


王城の魔術師もアズラン王国の尻ぬぐいで手が回らず、私達が通るはずだから魔鉱石を教会に置いて結界石をアディナ王太子妃につくって貰える様に頼みなさいと指示があったと正直に話してくれた。


「いや~助かりました。王都の方も大変みたいで、しかしアズラン王国にも困ったものです。瘴気溜まりは早期発見し、早めに浄化するのが鉄則なのに、それを怠り放置して広がってから浄化を始めたとか」


「あ~、サンディ、あのバカ殿下の所為ですよ、聖女様を独占したいが為に浄化の務めを妨害していた様です」


「あぁ、バカだと思っていたが、そこまでだとわね、同じ王太子としてはあり得ない事だ。国と民達よりも己の欲望を優先するとは呆れるよ」


「はい、流石に領地を持つ貴族は次々と近隣の他国に救援要請を出して見帰りに国替えして、我の国に帰属するという条件で魔術師団が派遣されて浄化に当たってるそうです」


「まぁ、陸続きだから流石に無視が出来ないか、魔術師団を派遣して浄化するしかないという事か、それは大変だな」


「でも、奢りが招いた結果てしょ、もうあの国は終わりね」

私は王家とイリシア教教会の傲りと怠慢が国を崩壊する原因だと強く感じた。


 私達は代官の屋敷で一晩ゆっくり休み、私とサンディも久しぶりお風呂に入った後にベッドの上で防音結界を張り激しく深夜まで愛し合った。


私達の傍で寝ていたシルビとルティは営み中に私の体内から漏れ出す聖なる魔力を糧に上位の神獣としての進化を着実に遂げて行く。


 私達は代官に頼んで朝食を早めに用意して頂き、早朝に代官の屋敷から出発し国境の街エンディニアから次の街オズニールへと向かった。


 オディアニア王国の場合は街から次の街まで馬車でおよそ8時間圏内で着ける様に計画的に開拓し農地と宿場町が造られ、宿場町に民達が増えて来て発展し街となった経緯が殆どである。


 国境の街を出てから街道を進んでいくと山が遠くに見える様になり、魔境リベルの大森林に連なる森が徐々に広がっているが見て取れる。


魔境リベルの大森林はイスルプ山脈の周辺の広がる森で所々で森が浅い箇所があるけどかなり広く、多種多様な魔物が生息しているので人々に取っては驚異の森である事には紛れもない事実である。


ただ魔物は人々にとって脅威ではあるけど、食肉にもなるし体内にある魔核は魔道具を動かす動力源にもなるので大切な資源であるのも事実でもある。


 国境の街を発ってから4時間程経ち、私の気分の様に空はどんよりと瘴気の影響で黒ずみ、代り映えのないね森の風景に飽きてきて身体を動かしたくてウズウズしてたまらなくなる。

 

「段々と森が深くなるわね、魔物が出てくるかしら」

私は魔物が出て来てくれて暴れられないかなと秘かに期待する。


「アディナ様、ダメですよ、馬車の長旅で飽きているのは分かりますけど、王太子妃なのですから先頭に立って退治しようなどとお考えになるのは」

専属メイド長のレティアはアディナの考えている事を察し注意する。


「アッハアア、アディらしいけどレティアの言う通りだよ」

サンディはアディナがレティアに図星を突かれて、しかめっ面したのを見て笑う。


「うっ、もうサンディまで変な事を言わないで、フッン、ルティは分かってくれるわよね」

私は二人に図星を突かれてしまい拗ねて、膝の上に寝かせているルティの頭を撫ぜる。


 そんな事もあったけど一時程で昼休憩を取る為に街道の端に馬車を停めると、私はルティを抱いたまま馬車から飛び降りる。


 私はルティを地面に下ろしてから、身体を解すため大きく背伸びしてから軽く体操をして気分転換をすると、ルティとシルビも私の周辺で軽く走り回る。


代官の屋敷の厨房の料理人が作ってくれたお弁当を皆で食べて、シルビとルティも同じ弁当を美味しそうに食べて、皆の食事が終わってから半時ほど休息を取る。


 皆で休息を取っているとシルビを突然起き出して森の方を睨んだので、私もサーチ魔法で森の方を確認すると出た魔物の群が向かってきたとほくそ笑む。


「うふふ、魔物の群が来るわよ、多分狼の群ね、20頭は確実に居るわね」

私は嬉しくなり森の方へ向かってシルビと共に走り出す。


「あっ、お嬢様、ダメですよ」

レティアが慌てて、走り出していくアディナを呼び止めようとするが、時すでに遅かった。


私はシルビと共に少し先に見える森まで駆けて行くと、一緒に隣で走っているシルビの身体が大きくなっていき体長が3mくらいまでなって、あれれと私は驚く。


 魔物の狼の群の先頭が見えてくると巨大化したシルビがスピードを上げて先陣を切りかなり先までいくと、次々と私の方へ向けて弾き飛ばしていくる。


私はシルビが弾き飛ばし飛んでくる魔物の狼を次々と斬り付けて行き、斬って倒した魔物の狼を次々とアイテムボックスに自動収納して行く。


私とシルビのコンビで魔物の狼の群23頭を僅か数分で瞬殺して、気分スッキリとしてサンディ達の所へ戻ると、直ぐにレティアからお説教を聞かされるハメになる。


「お嬢様、何でいつもそうなんですか、もう王太子妃なんですよ、ご自分の立場をお考え下さい。・・・・・・・ハァ、ハァ・・」


「ハーイ、以後気を付けま~す」

私はレティアのお説教を約10分程黙って聞いてから、一応謝罪だけしたけど反省は殆んどしてません。


だってレティアの説教は何時もの事ですからね、でも私の事を何時も心配してくれているのでレティアに常に感謝している。


 レティアの長い説教が終って、暫らくして休息を終えて再び馬車に乗って次の街へ向かって走りだすとレティアはシルビの頭を撫ぜてモフモフを堪能して不機嫌が収まっていく。


「しかし、驚いたけど、シルビって巨大化出来るんだね」

サンディはシルビを興味深げに見て感心する。


「そうなの、多分3mくらいにはなってたと思うわよ、私も驚いたけど有能な私の守護獣よね、頼もしいは」


「うっん、だからと言って、あのような振る舞いは今後は控えてくださいね、王太子妃なのですからね」


「アッハハ、それはどうかな、でも王太子妃として民達を護るために先頭に立って戦う時だってあると思うわよ、ねぇ、サンディもそう思うわよね」


「あ~、でもそんな状況になる時は戦争かスタンピードの様な非常事態の時だけろうけど、そうなって欲しくはないよね」

サンディはそうならない様に王家がしっかりと国の舵取りをしていかなければならないと常日頃心掛けている事である。


 昼休憩から馬車が次の街に向う途中で2度程ゴブリンなどの魔物の襲撃があったけど護衛騎士達が難なく討伐してくれたので日暮れ前にはオズニールの街に辿り着く。


 騎士を二人先触れを途中から先に送り、街の入場門では問題なく通過する事が出来て使者が門の所に待機していたので、使者が乗る馬車を先頭に伯爵邸へと向かった。


街の中をゆっくり通って行く馬車の車窓から私が眺めて見る限り、民達には笑顔がそれ程ないもの悲壮感はあまり感じない雰囲気であり、それなりには生活がちゃんと営まれている様にも感じた。


 伯爵邸へ向かうのかと思いきや教会の前で馬車が停まり、教会の門扉の前で領主のユリトス・オズニールと司祭様の二人が待っていた。

お読み頂きありがとうございます。

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