朝起きたら白銀の狼の母娘が神獣に進化した日に国境の街へ到着する。
この作品を選んで、お読で頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
白銀の狼のシルビは飛んでもない主の従魔になってしまったと思いながら娘のルティと一緒に眠りに就くと、暫くして主が番相手と交尾を始めた様である。
交尾している主の体内から途轍もないくらいの量の魔力が周囲にただ漏れになっているのを感じると、我と娘の体内にただ漏れした主の魔力が絶え間なく流れ込んで来て魔核を温かく包む様に刺激する。
それはとても神秘的で温かく主の魔力が魔核にある種の変化をもたらし、新たな息吹を体内に感じる初めての体験であり、決して嫌なものではなく寧ろ心地良すぎるくらいであった。
主達の交尾が終るとただ漏れしていた魔力も収まり、周辺に漏れて漂う魔力が我と娘に収束されて行くのを感じながら深い眠りに落ちていく。
朝を迎えて主が起きると我も娘も起きて主が番と口付けを交わしてから、身支度する様が容易に脳裏に伝わってくる不思議な感覚となり、どうやら我は主の従魔から守護獣に進化し神獣となったと自覚できた。
主が装備服を着終えると娘のルティが走って主の元へ行くと主に抱きかかえられると、主がテントの外へ向かって歩きは始めると我も大人しく付いて行く。
主が大きな鍋に魔法水を入れて簡易コンロに火を付けると、他の女達と干し肉と野菜を手分けして刻んでいくと、温まった鍋の中に切った野菜と干し肉をドンドンと入れいく。
我と娘は主の傍で料理というの大人しく見ていると男達がテント等を片しているのを横目でチラと見ながら、主を眺めていると美味しそうな匂いが鼻を擽るとお腹が空いてくる。
思わず我は美味しそうな匂いがする鍋の方に視線が釘付けになると、娘もどうやら鍋に視線が向かうようで、腹が減っては何とか言うらしいがこればかり仕方がない本能には勝てない。
「あら、シルビもルティも煮込みスープが食べたいのかしら」
私は後でシルビとルティが鍋をの方をじ~と見つめているのに気が付きシルビ達に聞く。
我は主に聞かれて思わず大きく首を何度も振り、食べたいと意志表示を主に示すと娘も同じ様に首を縦に振っていたのを横目で見る。
「うふふ、良いわよ食べさせてあげるから、熱いから気を付けるのよ」
私は二つのお椀に煮込みスープを入れてシルビとルティの前に置いて上げる。
我の主は普段は優しいらしいく、我と娘に美味しい匂いのする物を分け与えてくれたが、鼻先で熱さ確認するとチョッと熱いので娘に少し冷ましてから食べる様に伝えようと娘を見る。
娘も鼻先を近づけて熱いと感じ取ったのか我の方を見たので、首を横に軽く振り少し待てと伝えると暫らく煮込み料理の器を見つめながら冷める待つ。
「う~ん、やっぱりシルビとルティには熱いわよね、チョッと待ててね」
私はシルビとルティのお椀に魔法で冷風を送り冷ませてあげる。
「うん、これくらいでどうかな」
私は湯煙がお椀から立たなくなったのでシルビとルティに尋ねる。
我は主か冷ませてくれたので鼻先をお椀に近づけると熱さを感じなくなったので舌を伸ばしてお椀の中に入れると程よい暖かさになったので食べ始めると、娘も食べ始めて美味いと感じながらお椀の中の物を食べ尽くす。
「うふふ、後は魔物肉で我慢してね」
私はシルビとルティにこれ以上煮込みスープを与えてしまうと騎士達の分が無くなりそうなので魔物肉を与えて食べて貰った。
主の考えは理解できたので、もう少し食べたかったが他の者達の分もあるので、主から与えられて魔物肉を食べると、これはこれで美味い魔物肉だったので娘と一緒に残さず食べて腹を満たす。
私は朝食も食べて後片付けをした後にいざ出発と言う時にシルビが大きいので馬車に乗せられなくて、どうしようか悩んでしまった。
主が我の身体が大きくと乗り物に入らないと悩んでいたので、神経を研ぎ澄まし集中して小さくなれと念じると身体か光り1mくらいの体長に変身すると主か喜んでくれて馬車に乗せて貰った。
我は昨晩も森の中で一緒だった女と同じ席に座ると、なぜかその女は腿をポンポンと軽く叩くので不思議に思い主を見る。
「腿の上に頭を乗せてあげて」
私はレティアがモフモフがしたいと言ってたのでシルビにお願いする。
我は主の指示通りに隣の女の腿の上に頭を乗せて横になると、その女に頭を撫ぜられたが案外と心地良かったのでそのまま撫ぜさせて眠に就く。
私達は昼頃になったので昼休憩を取る為に街道の端に馬車を停めて、外に出ると空を眺めると青空が少し黒い瘴気が霞の様に漂うのが見えて国境の街の方角を見るとさらに黒ずんでいた。
「う~ん、国境の街は大丈夫なのかしら、だいぶ瘴気に覆われてるわね」
「うん、その様だね、アディは結界石の予備とかは持ってないのかい」
「うん、2個程ね魔術師団から返して貰ったのがあるわよ、何でも8個でほぼ領土の全域に結界が張れたらくして、共鳴すると凄く結界範囲が広がると感心してたわね」
「アディ、それじゃ、状況によっては頼んで良いかい」
「うん、勿論よ、ただ国境の街に魔晶石か水晶石とか魔鉱石でも良いから融通して貰えないかしら、山の麓の街だからありそうなんだけどな」
「あっ、確か魔鉱石の産地だったと思うけど、着いたら領主にでも聞こうか、今晩は龍主の屋敷に宿泊する予定だからね」
「そうね、サンディの方で聞いてくれるかしらお願いね」
「あぁ、聞いてみよう」
「それじゃ、皆に最後のおにぎりを配るわね、レティア、ルーシ、お願いね」
私はアイテムボックスの中からおにぎりが入った籠を四つと水筒を人数分だしてメイドの二人に渡す。
私はそれから二つの器の中に魔物肉を入れてシルビとルティにも与えると直ぐに食べてくれたので、私もサンディとおにぎりを食べながらシルビとルティの様子を眺める。
昼休憩が終ると二人の騎士に先触れとして先に魔馬を走らせて行って貰い、私達も直ぐに出発して、半時程で帰りに通る安全なメイン街道に交差しメイン街道を通り国境の街へ向かった。
国境の街には3時間程で入場門に到着したけど、空を見るとだいぶ瘴気に覆われて陽射しが届きにくいのか暗く感じるなと思っていると領主が入場門まで出迎えてくれていた。
「これはサンディ王太子殿下とアディナ王太子妃様、ようこそお越しくださいました。来て早々で申し訳ないですが、教会にご一緒して頂き結界石を作って頂ける様にお願いできますか」
「えぇ、案内してくださいますか直ぐに取り掛かりましょう」
私も流石にこの状況を放置できないので領主のお願いを直ぐに聞き入れた。
領主の馬車に先導されながら私達の馬車も後を追い教会の方へと向かっていると、車窓から眺め見る民達の印象としては元気がなさそうで街が鎮まり返っている様に感じた。
馬車は教会の正門前を通り過ぎて金属製の塀沿いを通り裏手の側に回り、馬車の停車場に停まり教会の裏口から入り女神像の裏側に案内される。
案内された目の前に群先や黄色や金色と多彩な輝き放つ綺麗な3m程の高さのある魔鉱石が置かれていたので思わず触れて魔鉱石の硬度を確認する。
「わぁ~、こんな立派な魔鉱石は初めて、硬度もしっかりしているわ。実家でも採れるけど硬度がなくて直ぐに砕けるから小型の魔道具とかアクセサリーの魔石として使われるだけなのよね」
「あのこれで結界石は出来ますか、アディ王太子妃殿下」
「えぇ、直ぐに始めます。これなら直ぐに出来ますわ。魔力との親和性が高いですから、では始めます」
私は早速魔法陣の構築を始めて魔鉱石の中核に構築した魔法陣を重ねて刻み込んで行く。
魔鉱石は流石に親和性が高い分すんなりと浄化結界に必要な魔法陣が次々と魔鉱石の中核に刻まれて行き魔法陣の構築が完成すると、直ぐに聖属性の浄化の魔力を魔鉱石に注ぎ込むと1時間も掛からずに結界石が完成した。
結界石が完成すると直ぐに魔鉱石が光り出して◇型の正八方体の結界石と台座に分離して◇型の結界石は宙に浮き女神像の頭上にまで浮いた。
◇型の結界石が女神像の頭上に浮いて止まると横にクルクルと回り出すと眩い光を発して結界が張られて台座は女神像の台座と一体化して台座の中央に多彩の色合いの球体が設置された。
「うん、領主様、無事に浄化の結界が張られましたよ、これで瘴気に悩む事は無くなるでしょう」
「あっ、ありがとう御座います。こうもあっさりと高度な浄化の結界石を作るとは今世の大聖女と噂されるだけありますな、しかし、本当に綺麗な結界石ですな」
こうして国境の街には浄化の結界が張られて、空には青さが戻り日が落ちかけると赤い空が広がり徐々に空が夜の暗さになっていくと、星々の輝きが夜空に広がり宝石の輝きとして民達の心に希望の輝きを戻していく。
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