ディアント王国のサディス王太子の元へ嫁ぐ日が決まる。
この作品を選んで、お読で頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
私がサディスと共に辺境伯領に帰って来て10日後に元へサディス王太子殿下から手紙が届き結婚の日取りが決まった事を知らせる内容だった。
手紙には結婚式の日取りが翌年の4月1日と決まり、3月20日までに来城してくれるようにお願いすると記されていた。
サディス殿下からは会える日を楽しみにしている愛するアディと手紙の最後に書かれていを読んで私は嬉しく感じた。
「後3ヶ月で我が家を離れるのか何だか淋しくなるわね、サディスと会えるのは楽しみだけど何だか複雑に気持になるわね、これがマリッジブルーと言うのかな」
「お嬢様、誰でも嫁ぐ日までは期待と不安が入り混じる心境になるものですよ、しかし先方の城に入りサディス殿下に会えば嫁ぐ覚悟が決まり落着くものです」
メイドのレディアが淋しがるお嬢様を励ます様に嫁ぐ日までの心持を語る。
「そうね、サディス殿下に会えば気持ちも落ち着くと思うわ」
「しかし、サディス殿下はそうと頑張ったのではないですか、普通なら王家との婚約が決まってから最低でも婚姻まで1年は掛かりますのに半年以上も短縮されてます」
「そうなの、でも事前にお父様が先方の陛下と話を進めていたみたいだから、そのお陰もあるのではないの」
「まぁ、確かにそうですけど、早める必要もあったのかもしれません。何しろサディス殿下は自国の御令嬢からは氷結の王子とも言われてまして御令嬢方を遠ざけていた様です」
「うふふ、そうね、確かに黙っていたら冷たく感じるわね、私と話す時はかなり砕けていたけどね」
「まぁ、お嬢様はお転婆でいらっしゃいましたから、女性とあまり意識してなかったかもしれませんわね、普通の御令嬢は殿方と一緒に魔物狩りなど致しません」
「それは否定はしないけど、ただお母様もお義姉様も私と一緒に森で魔物と戦ってたし、それが普通だったから仕方ないじゃないの、それにお父様も当時は喜んで褒めてくれてたし、環境的にそうなっただけよ」
「はぁ~、それは否定しませんが、それなりの年齢になられたのですから控えてくださいらないと困ります」
メイドの隣国の王家に嫁ぐアディナに王太子妃となるのですからお淑やかな振る舞いをする様に進言をする。
私も流石に幼い頃から面倒を見てくれているメイドのレティアの忠告を軽んじる事もできず、ただ黙って聞き入れる事しか出来なかったけど性分なので難しかなと思いつつ反省はしてない。
そんな事もあったけどお父様が三日後にかなり大きい高さが1m50cmくらいの水晶石を一つと高さ図1m20cmくらいの魔晶石を二つ用意してくれたので、これなら結界が張れると思いつく。
「うん、このくらいならかなり広範囲に結界が張れるかも」
私は浄化の結界を張る為に図書室の奥にある隠し部屋へ行き、ご先祖様である大聖女様が書き残した古い手書きの本を手に取り結界の仕組みを読む。
大聖女様が書き記してくれて手書きの本に載っている結界の仕組は割とすんなりと私の頭の中に入り、ご先祖の大聖女様に感謝の気持ち籠めて古い本にお祈り捧げてから書庫に仕舞った。
私は大きいな水晶石と魔晶石を置いてある部屋に戻り、直ぐに水晶石から先ずは結界を張る為の仕組を核となる魔法陣を水晶石の中心に魔法で刻み込む。
続いて二つの魔晶石の中にも結界の中心となる水晶石の核とパスが通る魔法陣を魔法て刻み込んで一つの作業を終えた。
「ふ~、意外と魔力量を消費するのね」
私はけっこう集中力も必要で、魔力も初めて沢山こんなに注いだかも、途中で魔力切れにならない様に少し魔力を回復させてから次の工程へ進む事にした。
私は窓際に椅子を置いて、窓を少し開けて空を見ると白い雪が舞いながら落ちてくるのに気付き、これから本格的な短いけど厳しい冬がやってくるのかと思った。
辺境伯領は12月の中頃から3月の初旬くらの間が冬の期間であり、雪は然程ではないけど積雪が50cmくらは冬の間に降り、ただ寒さだけは氷点下を下回るので寒さ厳しい。
辺境伯領領民達は魔核を丸く加工した火属性の魔石をカイロ代わりに所持しているので、火属性の魔石を複数持って外に出掛けて仕事や買い物をする。
私は薬剤部に行ってマナーポーションを10本ほど師匠に事情を話して譲ってもらい、直ぐに水晶石の置いてある部屋に戻り作業を続けた。
それから3時間程必要な魔法陣を水晶石と二つの魔晶石の中心に刻み込んで完成させて、水晶石と二つの魔晶石への浄化の魔力を注ぐを明日に持ち越した。
晩御飯の時間になりダイニングルームに行き、自分の席に座るとお父様が来たので、子爵家の領地にあるイリシア教教会の現状を確認した。
「お父様、叔母様の所のイリシア教教会には教会の神父さんとかいらっしゃるのですか」
「あぁ、今は教会は封鎖されているはずだよ、何しろ子爵の姪で平民の聖女を教会に預けたら僅か2年で過労死させたからな」
「えっ、そんな事が確かに平民出の聖女は酷使するという噂は聞いた事がありましたけど・・・」
「あぁ、姪でもある希少な聖女を教会に預けたのにな、怒りで教会の神父とシスター達を締め出して封鎖したんだよ、もう信仰など出来ぬとな民達からも石を投げられてわな」
「なら問題ないですね、明日か明後日には浄化の結界石が完成するので、水晶石を我が領の教会に出来れば女神像の前後に水晶石を置いて頂ければ結界の効果範囲も広がるります。お母様の実家の教会と子爵家の教会にも魔晶石を同じ様に設置して頂きたいのです」
「そうか、その結界で領地内の街とか瘴気から守られるのか」
「はい、流石に森までは無理かもしれませんが、この3個の結界石は連動しているので、3ヶ所の領地の街のほぼ全体が浄化魔法の結界で覆われてると思います」
「そうか分かった。完成したら教えてくれるか、直ぐに設置させる様に手配しよう」
「はい、お願いします。これで安心して3ヶ月後に彼の元へ嫁げます」
「うん、それまでは出来るだけで自重して屋敷か訓練所かで大人しくしてくれると嬉しいのだがな」
「あはは、それはチョッと約束しかねますが、善処致しますからお父様も森へ行かれる時は必ず誘ってくださいね、もし約束を破れば私も翌日には単独でも森へ直ぐに行きますわよ」
「はぁ~、俺はやっぱりアディナの育て方を間違えたのかな、子育てとは難しいものだな」
ギブソンは溜息を吐いてぼやいて思わず天井を仰ぐ。
「アハハ、父上はアディを優秀に育て過ぎたのですよ、決して間違ったわけではないですよ自信を持ってください。アディ、東の森はだいぶ魔物の数も減ってきてたよ、ありがとう」
「お兄様、お帰りなさい。今日は東の森へ巡回したのですか」
「あぁ、前に行った時は魔物も強暴化していて数も多かったけど、今日はあまり穏やか過ぎて不気味なくらいだったよ、空気も何時もよりも澄んでいた気もするよ」
オディンは東の森の巡回で感じたことをアディナに伝える。
その後は家族が全員揃って晩御飯を頂きながら、お母様が化粧品等と石鹸を作る工房の敷地と工房の建築費の見積もりを業者に頼んだらしく着々と進めるていると話してくれた。
これから暗黒期に入るけど明るいニュースがある事は素敵な事だと思うし、人々が明るく過ごす方が瘴気の発生の抑制にも繋がるので良い事だと感じた。
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