暗黒期の予兆。
この作品を選んで、お読で頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
アディナは東の森の最深部で瘴気溜まりを浄化を終えて、一仕事終えて屋敷に帰ると父親である出る領主のギブソンの執務室に呼ばれた。
「はい、お父様、何か御用ですか」
「アディナか、どこの森へ行っていたんだ!」
ギブソンは血相を変えて怒鳴り声を挙げる。
「はい、デモンドとヨシュアの二人と東の森の方へ行ってましたが、何か?」
私は怒鳴るお父様に毅然として答える。
「ハッ、東の森だとあそこは今危険なんだぞ、頼むからもうお転婆な事はやめてくれ、アディナに何か遇ったらルドルフ陛下に顔向けが出来なくなるだろ」
ギブソンは東の森と聞いて驚き、怒りよりも不安の方が上回る。
「しかし、お父様、最深部に池の様な大きな瘴気溜まりがありました。黒い魔物も大量発生をし始めてました」
「それは本当か・・・」
「スタンピードが起こってもおかしくない状態でしたが、まだ黒い魔物達は完全な実体化をしていなかったので、直ぐに瘴気溜まりと共に浄化して参りましたわ」
「そうか、それはすまんな、うっうぅぅ、もう無茶せんでくれ、アディナ、なぁ、何か合ったら俺に言ってくれ、アディナを守るためなら何でもするからな頼むからな・・・」
「お父様、そんな泣かなくても、分かりましたから泣かないでください。約束しますから」
私も流石にお父様に泣かれてしまっては何も言い返ず心配してくれるのはありがたいけど、自由に何も出来なくなるなと困り果てる。
「だがな、アディナはち~とも俺の言う事を聞いてくれん、どれだけ心配していると思っているんだ。父親が娘を心配するのは当り前であろ・・・」
「うっ、お父様には常に感謝してますから、それでは結晶石が魔晶石でも良いですから用意してくれませんか、私だって家族とこの領地と民達が心配なんです。お願いできますか」
「うっつつ・・・何に掴んだ。教えてくれるか」
ギブソンはアディナから感謝していると言われて嬉しくなる。
「はい、浄化の魔力を籠めて瘴気の浄化に役立てばと思いまして、出来れば大きいのが欲しいです」
「それを用意すれば、もう森には行かぬのか?」
「えっ、え~と、それはどうかな~、でしたらお父様が森に行かれる時は一緒に行って良いですか、お父様が傍にいれば心強いですし、お父様の傍に居れば私がお父様の事を心配せずにいられます」
私は色々と考えて妥協点としてお父様と一緒なら良いかなと思い、お父様に提案をする。
「ウッツ、俺とか、そんなに俺の事が心配なのか」
「当り前です。娘が父親の事を心配するのは当り前じゃありませんか、私がここに存在できるのはお父様とお母様のお陰なんです。出来るだけ長生きもして欲しです。魔物なんかにやられるなんてもっと嫌です」
私は心の中の本音をお父様に向って言い放つ。
「そ、そうか、まぁ、それは考えて置こう、水晶石か魔晶石か出来るだけ大きいのか良いのだな、何んとか手配しよう」
「はい、お願いします。ところでアズラン王国の動向かはいかがですか、私はあのバカが何か仕出かすのでないかと心配なのです。バカが権力を持つロクな事になりません」
「うん、俺ん所とは断絶しているがな、その影響はかなり出ているな王都は深刻な物不足に陥って、かなりの物価高になっているようだ」
「そうなんですか、あちら陛下は何も手を打たないのですか」
「あぁ、バカ殿下をオディアニア王国に派遣したらしいが見事に門前払いされたそうだ。支援を要請に行ったはずなのに手ぶらで行ったそうだ。何の得もない交渉など受けるはずもなかろ、縁籍関係も何もないのにな」
「まぁ、そうですね、今まで他国に仕出かしたツケが表面化したと言う事ですね」
「まぁ、そうだな聖女至上主義を謳いながら、貴族出身の聖女ばかりを重んじ平民の聖女を過労死させた挙句に他国から預かった平民の聖女ものな、だから各国も国教からイシリア教教会が外され衰退し国も衰退いて行った」
「未だに全盛期の奢りが残っていますから質が悪いです。それも嘘の歴史の上に成り立っているのに、新たに創設された聖イシリス教会に嘘がバラされているとも知らずに」
ただあのバカ王太子が何か言掛かりを付けてこないか気になるところある。
「まぁ、我々の領地の近隣の貴族達もだいぶ参っている様だからな、妹の嫁ぎ先の子爵家だけは面倒を見ているから困ってないがな」
「叔父様はまだ彼方の王家に従うのでしょうか」
「あぁ、下手にこちら側に寝返る様に動くと周辺の高位貴族から攻め入られる危険性があるからな、周囲の高位貴族の動向を注視している様だな」
「あぁ、そうですね、領地も然程大きくありませんし防衛面でも貧弱ではありますから仕方がないですか」
「まぁ、そう言う事だな、我々も後方支援したいが魔境の森を背にしているからな、長引けばこちらも危うくなる危険を波乱でいるからな」
「それにそろそろ※暗黒期に入ると聞きます。もしかしたらもう入っているのかもしれません。今回はどのくらいで収まるのでしょうか、1年間で収まれば良いのですが」
※おおよそ50年周期で各地で瘴気が異常発生する現象であり、期間は1年から3年程の間に起こる。
「あぁ、さっきのアディナの話から既に暗黒期に入ったかもしれんな、用心に越した事はあるまい、アディナには手間を掛けるがよろしく頼む。水晶石か魔晶石は出来るだけ早く手に入れよ」
「はい、よろしくお願いします。私の愛する家族と大切な故郷ですから、やれることは致します」
私は隣国に王家に嫁ぐのでおいそれとは帰郷は出来ない。嫁いだらディアント王国全体を守護しなければならくなる。
私は部屋に戻りるとメイドのレティアがお茶菓子を持って来てくれたので、レティアを話し相手に紅茶とクッキーを頂くきながら寛ぐ。
「レティア、東の森の最深部へ行って来ては、瘴気が大量発生してたから浄化して来たわ」
「えっ、それは・・・まさか暗黒期が始まったのでしょうか」
「そうね、断定は出来ないけど時期的にも入っていてもね・・・だから、私は出来る事をして嫁ぐ心算よ、お父様に水晶石か魔晶石の出来るだけ大きい物をお願いしたの、浄化の魔力を籠めた魔道具を作るわね」
我が辺境伯家の魔術師団には聖属性の使い手の魔術師は20人程在席してるけども浄化魔法を使えるのは7人程でいる。
それでも一人で瘴気溜まりを浄化するのは難しく浄化には大量の魔力量を消費するので、一人の負担を軽減する為に3人から4人のチームを組んで瘴気溜まりの浄化を行う。
私は今世の大聖女と能力を知るものは謳うけど、これも女神様の加護のお陰なので自分から言う心算もないし過信して自慢する気もない。
晩御飯の時にはお母様とお姉様とでスパイダーシルクの生地で次は何をつくろうかとか、私が考案した石鹸やシャンプーなどは工房を作り、スパイダーシルクの生地と合わせて特産品にするとお母様が張り切っている。
私としてもこの辺境伯領には魔物の素材以外は特に特産品がないので、それで我が家と領民達が潤い発展して行けば良いなと心の中で願う。
私は晩御飯の後はお風呂に入り、メイドのレティアに全身を石鹸とシャンプーとリンスを使って洗って貰い、入浴して心身共に疲れを癒す。
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