私は卒業記念パーティーで婚約者の王太子殿下と婚約破棄へ向けて突き進む。
この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
私はアディナ・オズワルドと申しまして今年18歳なりまして、今日の学園卒業記念パーティーで王太子殿下エドモンド・ロイヤル・アズラン様から婚約破棄されることになっています。
私が13歳の時に国王から父と共に召喚されて、王太子のエドモンドと婚約を強引に結ばれたわけですが、我が家は辺境伯爵家で古くから今の領地を守り続けてきた名家である。
「ふん、何で僕がこんな野蛮な田舎娘と婚約しなければならないんだ」
エドモンドが私を見て放った第一声がこんな感じであった。
「それはどうも、私は何でこんな貧弱な王子と婚約しなければならないのか、甚だ不愉快だわ」
私も負けじと彼に言い返してしまい、お互いにいがみ合う始末である。
そんな様子を見た父のギブソンは、私とエドモンド殿下の婚約を国王から強要されたので、条件として娘を妃から側妃に格下げまたは殿下が婚約破棄をした時は当家への裏切り行為としてあらゆる王家との契約をすべてを無効とする。
その様な事態になった場合、これで婚約破棄されたのがオズワルド家では二度目の婚約破棄をされることになるので、我が家の名誉を二度も傷を付けられることになる。
よって我が家は領地と共に隣国へ国替えをする事を国王に対して、無条件で認める様に条件を付けて婚約を結ぶことに成功した。
しかし先代の祖父の妹であったルイナ様が現国王の先代が王太子の頃に聖女を娶る為に一方的に婚約破棄されてしまい、その時から関係が悪化して犬猿の仲となる。
ルイナ様が婚約破棄された時に、隣国から一年間の留学されていた王太子であるシリュウス様から婚姻を申し込まれて、ルイナ様は即受け入れて結婚した事で我が辺境伯家と隣国のディアント王国は密接な関係となっていた。
そのディアント王国の国力は軍事及び経済力はアズラン王国の3倍ほどの国力を有しており、戦争となったらまずアズラン王国に勝ち目がないと言われている程の大国でもある。
我が辺境伯領は魔物が沢山住まう森と山脈が国境付近に連なっており、魔物の素材と鉱石が採掘されて資源が豊富で肥沃な大地に恵まれた領地であり、山間の街道を通じて隣国と国内の他の領地へと行き来している。
ただ魔物が多く出現するので守りを強固にして魔物の間引きをしなければ直ぐにスタンピートが発生する厄介な土地柄でもあり、頑強な騎士や魔術師を育てて騎士団と魔術師団を幾つも配備して魔物の討伐をほぼ毎日の様に行っている。
そんな事から、アズラン王国の魔物の素材や鉱物資源などの7割を国内に卸している為に、資源などの物資の確保を目的に国替えをされる事を危惧した現国王から強引に王太子であるエドモンドと私が婚約させられた訳である。
私の見た目は前世が日本人だったので、美しい母に似て白銀色の髪に二重で割と美少女だと思いますし胸もそれなりにあります。
10歳の頃から兄と魔物の住まう森で父の率いる騎士団と共に魔物に対して剣を振るい魔法も駆使して戦っていたので、スタイルも引き締まって良いと思う。
この国では貴族の令息令嬢が5歳になると王都の教会へ出向き、魔法の属性判定を行う義務があり、私も当然魔法の属性判定をして貰い風属性である事が分かっている。
この国では教会が認定した聖女が王都と近隣の領地から発生した瘴気の浄化をする習わしがあり、聖女の能力を持った聖女候補を発掘育成する目的で魔法の属性判定を教会で行っている。
ただ私の場合はその後領地に戻ると高熱を出して倒れてしまい一週間ほど寝込む事になり、その時に前世の記憶を思い出したのと同時に聖属性と他の属性の魔法が使える様になって病が完治した後にチートだと喜んでいた。
「おとうたま、私ね、他の魔法も使える様になったのよ」
私はその時に嬉しくて光の玉を父に見せて報告をした。
「おう、そうか、それは良かったな、うーん、一応鑑定してもらおうかな、アディナ、少し待っててくれるかい」
「うん、分かった」
父が直ぐに執事を呼んで鑑定士を呼んでくれた。
暫らくして鑑定士が執務室へ訪れて来て、私を鑑定すると全属性が使えて特に聖属性と風属性が優良だと鑑定された。
「旦那様、アディナ様は凄いでいよ、全属性使えて特に聖属性と風属性が優良だと鑑定できます」
「う~ん、良いかこの事は他言無用にな、王家に知られると非常に拙いからな、アディナもこの事は我が家の家族以外には秘密だぞ」
「はい、畏まりました」
鑑定師も直ぐに返事を返す。
「うん、分かった。おとうたまの言う通りする」
「うん、良い子だな、アディナは」
父のギブソンはアディナを頭を優しく撫ぜながら微笑む。
そんな経緯があり、私は王太子殿下のエドモンドと婚約が成立した際も父から命じられて、この事は秘密にしたまま15歳から王都に在る王立アズラン学園へ入学する為に王都の別邸に住む様になった。
私が王都の別邸に住む様になっても殿下は私の元へ訪ねて来る事もなく、ましてやプレゼントというもの一度も贈って貰った事もなく一度も訪れた事がなかった。
私も学園に入学したと同時に王城で王妃教育を受ける為に、学園の授業が終わってから王城へ通っていても、エドモンド王太子殿下と会う事をしようとはしなかった。
王太子エドモンドと私の関係は婚約した時点から印象が互いに最悪で嫌悪感を抱き、私が学園に入学してからも二人の間は冷めきっていて、学園ですれ違っても挨拶を交す程度である。
それもそのはずで、その時には聖女として扱われていた聖女候補筆頭の伯爵家令嬢のエリアナ・フィラアスと恋仲となっていて、私と当時学園で三年生になっていた兄のオディンもその事を直ぐに知る事になっていた。
その事は既に父親のギブソンには報告済みで、父からはエドモンド殿下とは距離を置いて関わらずにそのまま王妃教育だけを受ける様に指示をされた。
私が学園に入学してから噂となっていた伯爵家令嬢のエリアナが15歳の誕生日の時に教会から聖女認定された事で、父のギブソンとしては私とエドモンドの婚約が破棄されるのは時間の問題だと踏んで隣国の王家との縁談を内密に奨めていた。
この国では聖女が現れた時はその時の王太子と結婚させて次期王妃とする慣習があるので、エリアナ嬢が聖女が認定された事で私との婚約も破棄される事はほぼ確定事項になっているし周りもそういう雰囲気になる。
その事は祖父の妹であるルイナ様が同じ様に当時の聖女様が現れた事で当時の王太子殿下から婚約破棄されているので、もし今回私がエドモンド殿下から破棄されたら二度目となる。
学園生活ではエドモンドは王太子の務めが忙しいのか、学業の方はあまり芳しくなくBクラスに甘んじており、私はAクラスで成績はいつも上位5位に入っているのでクラスは別で聖女様もB組と殿下と同じクラスに在席している。
因みに私と王太子エドモンド殿下が婚約している事を知っているのは王太子殿下の取り巻きの御学友だけで、他の学生にはあまり知られていないのはエドモンドかその様に仕向けているからだ。
ただ私が学園の授業が終ると王城へ出向いて王妃教育を受けている事を薄々感づいている学生もいるけど、私も殿下も婚約者同志といった振舞をしていないので、あくまでも噂の範疇で私自身もあくまでも婚約者候補の一人だと言い訳をしていた。
なので学園主催の夜会などに参加する時は兄がいる時は兄にエスコートして貰い、兄が卒業してからは一歳年下の従弟のサライアン・イブリング子爵令息にエスコートして貰い、エドモンド王太子殿下との接触は避けていたし殿下も同様であった。
サライアンの実家は我が領の隣の子爵家で当家とは唯一の親戚関係で父の妹が嫁いでいるので、サライアンの母と父とは兄妹の関係である。
学園生活を四年間過ごして、その間にエドモンド王太子殿下と聖女のエリアナは誰もが認める恋人同志となり、順調に愛を育んでいく様子を私は黙って見守るだけであった。
その間に王城で王妃教育を受けている時も、私の事を王家の者達や城の従者達はまるで腫れ物を扱うがごとくで遠巻きで見られるだけであり、王妃との月に一度のお茶会も只お茶を飲んでいるだけで会話が殆ど無かった。
そして私が受けていた王妃教育も終わり、別邸へ帰る為に王城の廊下を歩いている途中で中庭にエドモンド殿下とエリアナが逢引をしており、二人の会話が聞こえてきた。
「今度の卒業記念パーティーの時にアディナとの婚約を正式に破棄するから、その時までもうしばらく待って欲しい、愛しているよエリアナ」
「本当ですか、分かりました。その時をお待ち致します。愛してますエドモンド様」
二人が私との婚約破棄の約束を交わした後にエドモンド殿下は執務室へ向い、聖女エリアナは城内の治療院へと向かった。
私はその事を聞いて、早速別邸に戻りメイド達に引越準備を始めるように指示をして、卒業記念パーティーから戻ったら直ぐに出発できる様に用意をすすめる事にした。
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