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第8話 恐怖

 私の前に居たのはフリーラでした。そして後ろには護衛が3人いました。私は意識が混濁しそうになるのを堪えました。


「あらあら、今のあなたが私の事をさん呼ばわりとは不敬ではなくて?」

「も、申し訳ございません。」


「まぁいいわ。それより……」


 フリーラはつかつかと歩いてきます。そして耳元で……


「何で()()()()の?」

「わ、私は……」


「まぁいいわ。その見窄らしい格好が見れただけで満足よ。でも、目障りよ。早く消えなさい。いじめの主犯者で極悪人さん……」


「そんな……あれは……」


 しかし、私は続きを話せませんでした。あの目を見てしまったからです。


「何?まだ言い訳するの?」

「……っ……あ……」


「反抗的な平民には……躾が必要よね。」


 振り上げられた手が見えました。避けないといけないのに……身体が動きません。私は何も出来ずただ目を瞑りました。しかしその時でした。私の手を誰かが思いっきり引っ張ったのです。


「アリス!大丈夫⁉︎」

「レ、レミさん?」


「は?何避けてるの?」

「お姉さん……何でアリスをいじめるの?いじめは良くないよ?」


「レミさん……ダメ……」

「はぁ?その子が私をいじめてたのよ?なんで私がいじめてる事になるわけ?」


 その時レミさんはじっとフリーラの目を見ていました。そして……


「お姉さん……嘘つきだね。」

「はぁ?貴族を愚弄するつもりかしら?」


「目を見れば分かるんだ。敵意と好意も……野生動物は教えてくれる。それで……お姉さんは敵意の目で濁ってる。」


「ねぇ、君名前は?」

「レミだよ。」


「そぉー……楽しみにしてなさい。あなたはもうすぐこの町で暮らせなくなるわ。」


 フリーラは黒い笑みを浮かべていました。私はあの目を見た事がありました。最初は私を標的にした時、そしてもう一回……それはあのパーティで再会した時でした。恐らく今回も何かしてくるのだと思いました。しかし……


「私、親いないよ。」

「えっ?」


「今は1人で暮らしてるし、この町で働いてもいないからお姉さんじゃ私を追い出せないよ。」

「な、何を……」


「知ってるんだよ……お姉さんの家族が気に入らない人たちを町から追い出していたの……私の友達も出て行っちゃったし……」

「ひ、人聞きが悪い事を!あなた達!この子を捕まえて!」


 フリーラが指示を出したと同時に後ろに居た3人が私たちを捕まえようとしました。


「アリス、走るよ!」

「う、うん!」


 そのまま私たちは走り出します。しかし追いついて来ませんでした。私は後ろを振り向きました。そこには……


「おいおい……大の大人が女の子を追うとは穏やかじゃねぇーな。」

「本当だな……」


「てめぇーらには世話になってるからな……たまにはその礼を返さないとな……」


 そこにはお肉屋さんおじさんと私の知らない数人のおじさん達が足止めしてくれてました。


「レミ!逃げろ!出来るだけ遠くへ!」

「おじさん!ごめん!絶対助けるから!」


「はぁ?何言ってんだ……こんなひ弱な護衛一捻りだ。」


 おじさんたちは護衛3人をあっという間に屈服させてしまいました。それを見て私たちは走るのをやめました。


「さぁ?どうするお嬢様……?」

「くっ……行くわよお前たち!」


「は、はい!」


 護衛の方たちはすぐに立ち上がりフリーラと共に馬車に乗り帰って行きました。


「……」

「あらら帰っちゃった……」


ドサッ……


「えっ?ちょ!アリス⁉︎」


 私は緊張から解放された為か……その場に倒れてしまいました。



 フリーラは馬車の中で不機嫌だった。


「クソクソ!あの女の周りにはいつも誰かいる!それがムカつく、イライラする……」


 昔から何もしないのにアリスの周りには人が集まっていた。特に努力もせずに人を惹きつける。それが気に食わなかった。


 私はむしゃくしゃして周りに当たっていた。それを見た親から注意された。そのイライラの原因を話したら父は苦虫を噛む顔をした。そして私に父は人海戦術の方法を教えてくれた。そしてゲイル家に嫁ぐ事が分かった時も破談させる為に尽力してくれた。これはつまりアリスはこの世に生きていてはいけないという事だろう。


(つまり、私が正しいという事だ。アリスを消す為なら何をしても良いという事。)


 私はそう解釈した。だからあの町の今日逆らった連中も全て消しても良いはずだ。


「待ってなさいアリス……あなたの周りはどんどん不幸になるわよ。早く消えないとね。」


 その後屋敷に戻った。


「お嬢様おかえりなさいませ。」

「フンッ」


「あの、お嬢様……」

「何よ、言いたい事があるなら早く言いなさい!」


「先程、お手紙を頂きました。」

「誰からよ?」


「ゲイル家のアルセイヌ様からです。」

「ふぅーん……なんの様かしらね。」


 手紙を読んだ私は口角が上がった。なぜなら……


「婚約の話を深めましょうという事みたいよ。どうやら私の努力がようやく身を結びそうよ。」


 私は上機嫌に戻り部屋へいく。お見合いの為の衣装を選ぶ為に。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークまたは下の星マークをタップしてお待ち頂けると幸いです。

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