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第14話 祭り

 雨が上がって5日後の事です。レミさんがまた鹿を狩ったので私たちがフランクの町に行くと町の人達が広場に集まっていました。


「あれ、なんだろう?」

「行ってみますか?」


「うん……たぶんただ事じゃないと思う。」

「はい。」


 私たちは人が集まってる場所に行くとそこにはベラ家の人々が拘束されていたのでした。


「あの……これは一体?」

「あぁ、今朝急に王国の兵士が来て拘束したんだ。前から悪どい事をしていたが……とうとう国が動いたわけだな。」


「ふーん。いいんじゃない。アリスをいじめてた奴らでしょ?なら大いに喜びたいよ。」

「あぁ、だけど喜べないんだ。誰がどうやって国に伝えたのかが分からないからな。1番にそいつを担いでみんなで讃えないと始まらないからな。」


「なーんだ。でも、いいんじゃない?みんながこんなふうにシーンとしてる方がその人も喜べないよ?」


 私はレミさんが言ってる事は間違えていないと思いました。そして町の人の考えもわかりました。


「それもそうだな!よし、今夜は祭だ!」

「おっ?何かやるのかい?」


「ああ!ベラ家が粛清された祭だ!喜べ!」

「いいね!いいね!屋台だそう!屋台!」


 祭りと聞きつけあちこちから人が集まってしまいました。


「レミさん。今日は一旦帰って……あれ?レミさん⁉︎」


 町の人たちを注視してしまいレミさんとはぐれてしまいました。私はキョロキョロと辺りを見回している1人の方に目が止まりました。


「ア、アルセイヌ様……?」


 私と目が遭うとこちらに来いという手招きをしました。私に拒否権はありません。私はその手招きに応じます。広場を離れると人気は少なくなります。


「お久しぶりです。アルセイヌ様。」

「久しぶりだな。アリス。」


 私はまず言わないといけないことを言います。


「あの、フランクの町の件、ありがとうございました。アルセイヌ様が何かしてくれたのですよね?」

「あぁ、フリーラを家に呼んで尋問した。アイツは先に国王の元に送ったがな。」


「そうですか……」


 恐らく拷問をして吐かせたのでしょう。アルセイヌさまは間違えた事、特に人道を外れる様な行為は決して許さないのです。


「それでここへ来たのはどうしてですか?」

「君に謝らなければならないからだ。」


 そういうとアルセイヌ様は地面膝を着き額も地面に押し付けて謝罪したのです。


「今回の件誠に申し訳なかった。」

「な、何をしているのですか⁉︎頭をお上げ下さい!」


「いいや、これはケジメなのだ。それに君に謝らないと何も始まらないんだ。」

「そんな……アルセイヌ様はフランクの民をお救いになりました。それだけで充分ですから頭をお上げ下さい!」


「やはり君は優しい……だが、俺まで君に甘える訳には行かないんだ!」


 そう叫ぶと懐からナイフを取り出しました。


「君にあんな侮辱を働いた俺は万死に値する。だからこそ、俺は……俺の命を持って償う!アリス!本当にすまなかった!」


「やめてーー!」


 そう言ってアルセイヌ様は自分のお腹めがけてナイフを振り下ろします。私は止めようとしましたが間に合いそうにありませんでした……


「うりゃーー!」


 しかし私より早くアルセイヌ様を止めた方がいました。それはレミさんだったのです。


カランカラン……


 レミさんはナイフを蹴り上げていました。そして宙を舞ったナイフは誰もいない所に落ちたのでした。


「なっ……誰だ⁉︎」

「アリスを泣かせる人は許さないよ!」


「レミさん……」

「アリスを泣かせる人……か……ならば君は今止めるべきではなかったな。彼女を泣かせたのは俺なのだから……」


「うん知ってる。それでアリスは止めて欲しかった。だから無理やり私が止めたんだよ。」

「……君はたぶん今の出来事の事を言ってるんだね。でも、違うんだ。俺は少し前にアリスを泣かせて更には家を追い出されてしまうまでに追い込んだんだ。その責任を取らないといけないんだ。」


 アルセイヌ様は子供相手なのだろうか優しい口調で説明していた。


「それって……ただの自己満足じゃない?」

「な、何を言って……」


「だってそうじゃん!アリスが被害者なのにアリスが嫌がってる事してるんだよ?そんなの悪い事しちゃったからお菓子持ってきたよって言って渡されたのはその人が嫌いなお菓子でしたってのと一緒じゃない?」

「し、しかし……俺はアリスに償わなければ……」


「ですから……その件はフランクの町の方々を救ってくれたので良いですと言いましたよ。」

「え⁉︎この人が解決してくれたの⁉︎」


「いや、それはアリスから手紙を……」

「おーい!みんな!この町を守ってくれた人がここにいるよ!」


 アルセイヌ様の事など無視で町の人たちを呼ぶレミさん。これにはあのアルセイヌ様も唖然としてました。その後は聞きつけた町の人達に連れて行かれました。今思い出しても笑ってしまうくらいにアルセイヌ様はオドオドとしていました。こんなアルセイヌ様は恐らく後にも先にもこの日のこの出来事だけでしょう。夜は盛大なお祭りが開かれました。その主役には照れているアルセイヌ様でした。それを私とレミさんで見ていました。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークまたは下の星マークをタップしてお待ち頂けると幸いです。

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