第12話 洞窟の奥
洞窟の中は暗く、レミさんの手を握っていないと見失いそうです。
「ど、どこまで行くのですか?」
「うーん……折角アリスも一緒だし行けるところまで行って見ようかなー。」
「えっ?つまり本当はもっと手前でも良かったと?」
「うん!本当は外の明かりが見たるくらいで止まってた。」
つまり……1人では怖いけど2人なら行けると思ったんですね。
「わ、私そんなに運動神経もないし、レミさんを守れませんよ?」
「えっ?分かってるよ。そんな事?アリスは隣に居てくれるだけでいいんだもん。それだけで私は……前に進めるんだよ。たぶんね!」
「たぶんですか……」
「あれ?もしかして傷つけちゃった?ごめんね!」
「いいえ……嬉しいです!ありがとうございます!」
それは信用してくれてるという事……同じ立場、同じ目線でいてくれているという幸福感……久しぶりの感覚でした。思い出したその感覚はとても嬉しくて私の目から一筋の涙が落ちました。
「あれ?なんで泣いてるの?怖かった?ごめんね!引き返そうか。」
「いいえ、大丈夫です……嬉しいだけなんです。」
「ん?何が嬉しいの?」
「信用して貰えてるのが嬉しいのです。」
「ええー、そんな事で嬉しいの?なんで?普通のことじゃないの?」
「普通なのですか?」
「うん!まだ会って短いけどさ。アリスはいつも真剣で、私の心配もしてくれて、話したくない事も話してくれたんだよ。そんな事普通しないよ?そんな事してくれる人信じないなんて失礼だよ!」
「そ、そうなんですね。」
レミさんの熱量に負けてしまいました。でも、分かった事があります。おそらく私は既にレミさんに助けられたあの時からもう信用していたのだと……
少し歩くと水の流れる音がしました。
「レミさん、もしかして……」
「うん、川があるかも!」
私たちは足元に気をつけながら前に進んで行きます。そして見つけたのはやはり川でした。どうやら地下水が流れているようです。
「これはどこに通じているのでしょうか?」
「うーん……探索したいけど、食料もないし何より戻るまでに松明が持たないから帰ろう。」
よく見ると既に半分が燃えていました。なので今日はここまでとなり私たちは引き返しました。出口に行くと外はもう暗く、雨が降っていました。
「……寝よっか!」
「はい。」
私の横にくっつき眠りにつこうとするレミさん。なのでイタズラっぽく聞いて見ることにしました。
「お姉さんは甘えん坊ですね。」
「今は妹だから甘えん坊なんだよー。」
どうやらイタズラのスキルでも私はレミさんに勝てないようでした。
翌朝もいつも通り起きました。レミさんもいつも通り起きていました。しかし今日は雨が降っていました。
「おはようございます!当たってましたね。」
「あ、アリスおはよー!」
レミさんは何やら片付けをしていました。
「今日は何をするんですか?」
「今日はね。あの先に行ってみようと思うんだ!アリスも気になるでしょー?」
気になります!とここで素直に言うのもありでしょう。でもそれだとなんだか面白くありません。
「いえ、あまり……」
「うぅー……」
レミさんは目をうるうるとさせて何かを訴えかけてきます。なので急いで訂正します。
「う、嘘です!行きたいです!」
「だよね!」
負けました。やはり私はレミさんに弱い様です。でも、フリーラの様に身体が固まる事もありません。
「じゃあはい!」
「オレンジですか?」
「うん!食べたら行こう!」
「はい!」
2人でオレンジを食べた後、昼食様の干し肉と松明を予備を含めて2本持ち向かいました。そして昨日と同じ場所まできました。
「ここまでで松明は半分切りませんでしたね。」
「昨日は足場も分からなかったし、ゆっくり来てたからね。それよりもこの川がどこに続いているか知りたい!」
「そうですね。では流れに沿って行きましょう。」
レミさんは終始私の手を握ってました。恐らく怖いからでしょうか……少し力が強く痛いです。
「あの、手が痛いのですが……」
「あっ、ごめん……足場が悪いから滑ってもこけない様にしてた。」
「そ、そうだったんですね。ありがとうございます。」
(やはり私よりお姉さんです。)
先へ進むと明かりが見えました。その先は雨が降っていました。そして……
「うわ!滝になってた!」
「あ、危ないのであまり乗り出さないでくださいね!」
私の方も手に力が込めます。
「大丈夫だよ。アリスがしっかり手を握っててくれてるからね!」
「レミさんの方が力強いんですから!引っ張られたら一緒に落ちますよ!」
「うん、でも大体分かったよ。」
「そうですか、では、早くこちらに。」
レミさんはゆっくりとこちらに戻ってきました。
「うん!じゃあ戻ろう!」
「はい!」
そして帰る途中に聞いてみます。
「あの、何が分かったのですか?」
「うん、いつも釣りしてるあの川に続いてた。それでね。結構高かったからあそこから脱出は無理だった。」
「……あの……狙われる様な事したんですか?」
「ないよー、でも、考えるじゃんいきなり襲撃されて中に逃げて敵は余裕な状況で待ち構える中を颯爽とあそこから脱出なんて……」
「考えません。」
ばっさりとレミさんの考えを斬り捨ててしまった為にレミさんはシュンとしてしまいました。
「で、ですが、何が起こるか分かりませんし。上も見に行ってみませんか?」
「そうだよね!そうだよね!よーし!行こう行こう!」
走ろうとするレミさんの手をしっかり握り私はレミさんと来た道を戻り今度は川に沿って登っていきました。しかし、途中から急角度となっていた為に登るのを諦め帰るのでした。
「楽しかったね!」
「はい!」
でも、私たちは楽しかったです。こんな冒険をまたしたいと思いました。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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