表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/5

ドラゴン退治って聞いていませんが!?

アクアドラゴンは怯えきっている盗賊たちを標的にして捕食を始めた。そんな時になってようやく捕食されなかった盗賊たちが悲鳴を上げて我先へと逃げ出した。



すると捕食されそうになっている盗賊が仲間に泣き叫びながら助けを求めていた。必死に動かせる場所をすべて動かしていた。



「助けてくれ!、俺を見殺しにしないでくれ。一生の願いだから、助けてくれー頼むからー」



けれども仲間の盗賊たちは己の命の欲しさに誰も振り返ることもせずに逃げていた。捕食されそうにながらも迫りくる恐怖にもう格好など気にせずに助けを求めた。



そんな時にその思いが通じたのかアクアドラゴンの目に剣が飛んできて突き刺したのだった。アクアドラゴンは急な攻撃に片目を剣で突き刺されたことで暴れ始めた。



捕食されそうになっていた盗賊は開放されてすぐに巨木の陰に隠れた。そして誰が助けてくれたのかと探しようにも一人しかいなかった。



それは先程まで殺そうとしていた、アッシュが助けてくれたのであった。盗賊は仲間でもないのにどうして助けてくれたのかと聞いた。



「必死になりながら助けを求めてくる人を見捨てることが出来なかっただけだ。早く、助かったのならば逃げな。自分はこのアクアドラゴンを討伐することにするから少しばかり悪い賭けだけどな」



盗賊は本気かと驚いた顔でアッシュに言うがその間にもアクアドラゴンに向かって走り出していた。それを見た盗賊はこのまま残ってもただの足手まといになるだけだと思いその場から逃げ出した。



それを見た自分はとりあえずこれ以上の被害を出さないことには成功したかと思いながら先程片目に剣が刺さり未だに暴れているアクアドラゴン。



冷静に戻る前にもう一度だけでも良いから強烈な一撃を与えないと自分に勝ち目はない。それだけアクアドラゴンは危険な生物だから。



アクアドラゴン、食物連鎖の中でもトップに君臨しているドラゴンの仲間であり小さい街ぐらいならば一匹だけで崩壊させるほどで名のある冒険者たちが力を合わせないと討伐は難しいと言われている。



そして最大の特徴は口から出される水のブレスは樹海を割ったと呼べるほどの威力で当たった樹木はもれなくバラバラになるほどで人間の体も樹木の様になるのは分かりきっている。



その為、万が一に出会った時には障害物を利用して逃げるか。または水のブレスを撃たれる前に目を潰すこと。



何とかして片目を潰すことは成功したがまだ片目が残っている。相手が少しでも落ち着いてきたら自分は危険な状況に置かれる。



もう片目を潰すためにも武器になりそうなのはと探していると先程の盗賊が持っていただろうナイフが落ちていた。



きっと逃げ出すことで頭が一杯になり忘れていったのだろう。有り難く使わせて頂きますと思いながら回収してアクアドラゴンに接近した。



その時にアクアドラゴンは暴れながら水ブレスを放ってきた。正確に狙い目を定めてはいないがそれでも当たったら一貫の終わりだ。



自分は水ブレスを避けながらアクアドラゴンに到着して持ってきたナイフで男の急所を突き刺した。急所だけに他のところに比べて強度が全然違った。



やはりここはすべての生物の弱点だなと思いながら更にダメージを与えたのでこのまま休めることはせずに次はまだ無事な方の片目を潰そうとした。



しかし、アクアドラゴンも黙ってはいなかった。片目も潰そうとしていた自分を硬く鱗に覆われている長い尻尾でムチのように攻撃をしてきた。



あまりにも長い尻尾の攻撃を避けきれずに叩きつけられて吹き飛ばされた。巨木に当たりようやく止まったが一撃でこれかと思い、すぐに態勢を整えようとしていた。



その時、アクアドラゴンがこちらに対して水ブレスを放ってこようとしていた。不味いとすぐに判断して尻尾でダメージを受けた自分の体にムチを入れるように無理をしてもそのブレスの範囲外に逃げた。



その瞬間に先程までいた場所に水ブレスが放たれた、そこにあったはずの巨木や岩などの障害物は全てが無くなりそこには地面が捲れて荒れた道が出来上がっていた。



あ、危なかった、無理しても避けて良かった、避けなかったら遺体も残るか怪しいレベルだ。でもあれ程のブレスはそうそう連続で出せるものではない。現実にアクアドラゴンの方を見ると疲れているようにも見えていた。



ならば次のブレスが来る前にもう片目も潰さないと次は避けられる自信がない。生き残る為にはあのアクアドラゴンを倒すしかない。



自分は痛みを我慢しながら再び、アクアドラゴンに向かって突撃をした。武器は先程飛ばされたところに落ちていた。



もう古い武器で苔などもあるけどあの目を攻撃するのには十分なほどだ。それを持ち攻撃してくるアクアドラゴンを避けて自分はあの片目を潰すことに全力を尽くした。



今度は近寄せるかと言うばかりの手で攻撃などを仕掛けてきた。そんな猛攻を避けて遂に自分はもう片目の射程圏内に入った、自分は本気で叫びながら突き刺した。



「くたばりやがれ、このトカゲ野郎がーー」


アクアドラゴンのもう片目にも剣を突き刺した、一旦は少し落ち着いていたアクアドラゴンが再び暴れだした。



自分はこのままだと振り落とされてしまうと思い必死に突き刺した剣にしがみついていた。このまま弱まっていけば自分の勝ちだと信じていた。



だがアクアドラゴンもただでは死んでたまるかと言っているように咆哮をした後に口に再びブレスを撃つ準備を始めていた。



くそ、あと一歩なのにこうなったら一か八かだと判断した自分はアクアドラゴンの口に向かって自分は自分自身が発動できる炎属性、最強魔法であるボルケーノを発動して放った。



口に溜まっていた水と炎属性のボルケーノが衝突してお互いはそこから左右に吹き飛ばされた。アクアドラゴンは吹き飛ばされた先には槍のように尖っている岩に首が突き刺さり体をピクピクしていた。



もうこれで倒せたと言うべきだろうがこちらも岩ではないが巨木の枝が体に刺さっていた。相打ちか、アクアドラゴンを相手に一人で戦った結果だと思えば良い方か。



アクアドラゴンも致命傷の場所に刺さって自分も腹に突き刺さって血がドバドバと流れていた。これを見た自分はこんなに大物を倒しても誰も褒めてはくれないか。少しばかり虚しい気持ちになって考えていた。



自分はこの世界から嫌われている存在、死んでも泣いてくれるのはこんな自分に十年以上付き従った。少し天然でドジっ娘の天使だけだ。



・・・・いや、一人と言うべきなのか天使は?まあ、泣いてくれる者が存在するだけでも幸せな方だな。前世はそんな人は誰一人もいなかった。



そんなことを考えてるうちに血が失いすぎて意識が無くなり始めていた。最後に見る景色がこんな所になるとは・・・いや、処刑台よりはいくらかマシなのかな。



思い残すことはあのドジっ娘天使が無事に生きていてほしいぐらいか。他はない、魔法がある世界に行きたいと思って転生したけど次はそんなのが無くても良いから普通に暮らせる世界に転生したいな。



そんな事を願っていると薄れてく意識の中で遠くからこちらに対して話しかけてくる声が感じられたがもう誰が話しているのか、誰がどんなことを言っているのか。



それすらも既に分からないほどまで自分は判断力を失っていた。でももうどうでも良かった、あと少しで何も話さない屍になるのだから。



そして辛うじて残っていた意識も無くなり目の前が真っ暗になり自分も眠るように意識を失うであった。



「ご、御主人様ーーー!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ