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人×人外百合短編集  作者: 焔摩下広鬼
6/6

浮気の代償(人×怨霊)

男性関与の作品です。

彼女がntrられて自殺した女の幽霊が、復讐する話です。ジャンルは多分ホラーになります。

以下主人公視点のため愛菜の見た目は描写しづらかったため補足でキャラ設定を載せました。


キャラ

愛菜(主人公)

・ヴィジュ:黒髪ロング。胸大きめだがかなの方がある。

・性格:独占欲が強く、愛が重い。・年齢:21。・職業:社会人。

かな

・主人公の彼女。・ヴィジュ:茶髪セミロング、胸は大きめ。

・性格:浮気性。クズ。・年齢:21。・職業:大学生。

 今まで幸せだった二人の思い出が詰まった場所、そこは今、血に塗れていた。

 床には血が滴る。血はベッドの上から垂れていた。

 ベッドの上には茶髪の裸の女がいた。その上には同じく裸の男、だったものがある。その男だったものは首から上がなかった。首は女の身体の上、ちょうどお腹のあたりにに落ちていた。

 そこから床に血が滴っていたのだ。

 さらに首を落とされて、噴出した血しぶきが部屋一面を汚し、地獄絵図と化していた。

 でも仕方ないよね、先にけがしたのはそっちだもん。

 もう絶対に離さないから。

 そして許さない。

 あなただけは簡単に殺してあげない。

 まあ、死んでも許さないけど。

 私は恐怖に怯えた彼女の姿を妖しい微笑みで見た。


 〇


 事の発端は私と付き合っているかのが浮気した事だった。

 私が会社から早上がりでいつもとは違う時間に私とかのの家へ帰って来ると私とかの部屋に知らない人、そのれも男がいた。それだけだったらまだましだったかもしれない。

 その男はあろうことか私とかのが普段一緒に寝ているベッドで裸になって、同じく裸のかのと抱き合っていた。

「は?」

 私は真っ白になって、やっと出た言葉がそれだった。

「わ、やばっ!」

 男が慌てて言った。

「か、かのっ!? ち、違うのこれは!」

 何が違うんだか。まだかのが下であればちょっとくらいならかのに非がない可能性も信じれたかもしれないがかのは男に覆いかぶさっていた。

 私は咄嗟に逃げた。

 幸せだった場所は一瞬で地獄と化した。

 かのが浮気をしてるらしいことはなんとなく気づいてはいた。だが正直信じたくはなかったから考えないようにしていた。けど実際に目撃してしまった以上それは難しい。

 もう私はあの家にはいられない。

 どこに帰ればいいのか。

 自宅から出て私は走って逃げる。

 あてもなく走って、気づいたら橋にいた。真下には川がある。川は大雨が降ったあとで、増水していた。

 何もかも自暴自棄になり、思考能力がなくなっていた私は流されるままにそこから飛び降りた。


 〇


 あれ生きてる?

 そう思って目が覚めた時に私は見知らぬ場所にいた。

 ここどこ?

 そう思っていた時、誰かが目の前からぶつかってきた。

 しかし、ぶつかっても衝撃は来ず、むしろすり抜けていた。

 どうやら私は本当に死んだらしい。死んで幽霊になったということだろう。

 適当にその辺の歩いている人の携帯を覗き込んで日付を確認すると三日は経ってた。

 私は一旦自宅へ戻ることにした。

 どうせ見えないので男と鉢合わせても問題はない。

 いや好都合かもしれない。

 私は私を選ばずに男と寝ていたかのを許さない。

 間男も殺す。

 かのには一生憑いてやる。

 

 自宅へきた。

 案の定かのはベッドで間男と寝ていた。

「そういえばお前の彼女あれからどうなったの?」

「えー知らない、どっかで泊ってるんじゃない?」

「知らないって酷いな、一応彼女だろ?」

「そうだけど浮気バレちゃったし」

 私がいるとも知らずにかのはそんなことをのたまわっていた。

 間男がかのと肉体を交える。

 私の中のこころが憎しみと妬ましさでいっぱいになる。

 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すっ!!!!

 私は気づいたら黒いオーラのようなものが出ていた。それと同時に部屋に会った本棚やぬいぐるみ、花瓶などが独りでに落ちた。

 どうやら幽霊になったことで不思議な力が使えるようになったらしい。

 気づいたら無意識に使っていたのだろう。

 独りでに落っこちた物を見てかのと間男が反応した。

「なあ、今のって……」

「じ、地震かなんかでしょ……」

 上ずった声でかのが言う。そういうかのの表情は恐怖で引きつっていた。

 私は意図的にポルターガイストができないか目の前にあったテレビで試してみる。

 付いた。

 かのと間男からはテレビが勝手に付いたように見えてるはずだ。

 ニュースが流れていた。

 私の死体が見つかったらしく、名前と一緒に公表されていた。

 そのニュースを見たかのと間男が青ざめる。

 そしてかのの表情が今度は私の方へ向き、さらに表情が青くなっていく。

「愛菜っ!」

 かのが私の名前を呼んだ。

 いつの間にか私が視えるようになったらしい。

「えっ!?」

 間男が驚く。

「ど、どこにもいないけど。というか死んだって……どういうこと?」

 間男が困惑する。恐らく幽霊がいることを確信しつつもそんなことありえないと思ってるのだろう。ありえるんだよ、クソ間男が!

 私とかのの間に挟まる奴は誰だろうと死ぬべき。

 私は怨嗟を込めて、間男に近づく。

 今回は間男が上にいたので簡単に近づくことができた。

「愛菜やめてっ!」

 かのが叫ぶ。

 気配を感じた間男が振り返ろうとしたが遅い。

 私は間男の首を締めた。

 間男が苦し気に唸り、身悶える。

 かのが私の手を離そうとするが、霊体なので当然意味ない。

 それにしてもこのままくたばられてはかのに対する復讐が不完全な気がする。

 私は霊気だけで間男の首を絞めながら、自らの右手に呪力をのせて、間男の体内の心臓を掴んだ。そして握り潰す。

「ぐぼおっ!?」

 間男が吐血する。

 私は絞めていた首に力をさらに入れる。

 間男はすでに絶命していたが、私は間男の首を無理矢理廻して、そして身体から外し、落とす。

 ベッド上のかの腹部に間男の首が落ちた。

「きゃああああああああああああああああーーーーーーっ!!??」

 かのが絶叫する。

「もう許して、お願い、愛菜! お願いします!」

「駄目」

 私の声がかのに聞こえているかはわからないけど私は声に出して言う。

「もう浮気なんかできないようにしつけてあげる」

 私はかのの身体を霊力で金縛りにして、壁面に抑えつけた。

 さらに霊力で触手を生み出す。

 触手の鞭をかのの身体へ打ち付ける。

 何度も何度も滅多打ちにする。

「きゃあっ!? 痛いっ! やめてっ! 愛菜、お願い、許して!」

「駄目」

 何度も繰り返し鞭打ったかのの身体は痣だらけだった。今は裸なのでそれも丸見えだ。そんな彼女の無様な姿に嗜虐心が高まる。元々は私はネコだった。けどどうやらタチ側だったようだ。

 浮気されてムカついて、復讐心に燃えても好きだという気持ちが消えるわけじゃない。

 今は邪魔な間男も殺した。かのは私が独り占めできる。生かすも殺すも私の気分次第。殺して死後に一生地獄でも離さないようにするという手もなくはないが、間男と同じ日に死んだというのは気に食わないのでそれはしない。しばらくは生き地獄を味わってもらう。

 

 都心から離れた廃屋でかのの両手首は鎖に繋がれていた。

 私が霊力を用いてかのの手首に填めた。

 ここへ来るときに服は一度着替えさせたが、再び脱がした。それも自主的に。

「脱いで」

 私はかのに命じる。

「うん」

 かのが答える。

 どうやら本当にかのはゆうれいの姿が見えているし、声も聞こえているようだった。

「愛菜」

「なに?」

 かのが俯きながら私の名を呼ぶ。

「ごめんなさい」

「……許さないよ」

「それでも謝らせて……」

「……」

「今更だけどわたしは愛菜のこと好きだから」

「だったらなんで浮気したの?」

「わたしの中で性欲からくるセックスと恋愛でのセックスは物が違うの」

「つまりあの男は性欲をはらすための関係だと言いたいの?」

「……」

 かのは何も言わなかったが首を縦に振って頷いた。

「それ言い訳になると思ってんの?」

「思ってない」

 今度は横に振る。

「でもかのが好きなのは本当」

「信じられると思う?」

「思わない」

 私の問いにかのが答えた。

「三日間私があの家に帰らなくて心配してないどころか、浮気相手と性懲りもなくセックスしてた奴の言葉なんて信じられるわけないでしょ。そんなに許して欲しいなら暫く私のサンドバッグになってもらう。それに耐えられたら、考えてあげる」

「う、噓でしょ……」

「本気よ」

 そう言って私はかのの腹部に手を当てる。呪力を体内へ注ぎ込む。この呪力は文字通り呪いの力だ。復讐心、嫉妬心などの負の感情から生み出されたエネルギー。

 これは相手に精神的な痛みを与え続ける。痛みは実際に殴られたような感覚を身体に与え続ける。

「まあでも、もう大丈夫よ。例えかのがまた浮気しても、相手を殺せばいいだけだから」

「な、何言って……」

「また、相手の首を目の前で落としてあげる」

 私は呪力で身体を蝕まれて表情を歪ませてるかのに言う。

 その後、かのの耳元に口を近づけ、

「一生離さないから」

 そう囁いた。

人×人外百合短編集にこれを収録するのはじゃっかんちょっと違う感もありますが、一応百合で主人公は人外になるのでまあ入れていいかとなりました。

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