勇者の植物学
タイトルはあまり関係なさげ。
少年の名は要介と言った。淑女の名は陽子と言った。
要介は会社員として、ICチップの製造に関わっていた。
???「あの…同席しても良いですか?」
要介「はい…良いですけど…」女性の名は陽子と言った。
陽子は銀行で社員として般若女性的な面持ちで隣に座った。
般若とは釈迦如来が現代若者の恐ろしさを揶揄した妖怪である。
要介は小さい頃から妖怪に興味を持っていた。そんな要介の
隣にはいつもニマリ婆様が付いていた。ニマリ婆様は
毎日、欠かさず喉を痛めないために喉飴を要介に持たせていた。
ニマリ婆様「もし仏さんの石像を見かけたらただの石と思わず、
きちんと挨拶するんだよ」ニマリ婆様は毎日、要介にそう
説明したと言う。ある日、仏は仏でも髑髏と魂遂棒を持った
夜叉仏の彫られている石像に要介と陽子は出くわした。
学校の帰り道であった。(このことから要介殿と陽子嬢は
幼馴染であったと推測される。)要介殿は利発な方である。
要介「陽子ちゃん、こういう石像に会ったらしっかりと
挨拶をしないといけないんだよ」陽子嬢は宗教なんて
知らないけど取りあえずの礼儀を知っていたので挨拶をした。
要介&陽子「こんにちは、仏さま」…と。
すると、夜叉仏の石像は動き出し、その下にトンネルが
出てきました。要介は興味のある事には何でも調べたがる
質だったので、陽子嬢を置いて中に入ってみました。
陽子嬢「危ないよ、要介君」要介は、中でキラキラ光る
緑色の星の欠片を見つけました。要介は、ウキウキしながら
陽子嬢と共に星の欠片を夜叉仏の御礼だと喜んで
持ち帰りました。その日の晩、要介が星の欠片を気にしながら
ノートにフランス語を書いていると、星の欠片が急に赤く
染まるではありませんか。要介は動き出しその星の欠片を掴むと
ある街に辿り着きました。それは、モンーテーニュシティの
あるクリエイターの建築様式のセット置場でした。
バスタール・ガリレイ「君、ここへどうやって入ったんだね?」
バスタールは要介の様子を見て驚きました。
それは、その場にあった紙粘土で、新しい建築様式の家を
考えていたからです。バスタールは喜んで、「是非、うちの弟子
として働いてみないか?」と誘われました。要介もそれは
楽しそうだなと了承しました。星の欠片が緑になると、要介は
己の家に戻っていました。手には紙粘土の跡と名刺が残っていました。さて、10月も半ばの頃、ニマリ婆様や要介の親、親族が運動会を行いました。夜叉仏の穴から見つけた
星の欠片を握っていると、陽子に問われました。
陽子「ねえ、少しは勉強してるフランス語は役立っているの?」
要介は、ニヤニヤしながら「Ouais,beaucoup!」と
言いました。陽子嬢は?と頭にクエスチョンマークでした。
それから20年後、要介殿と陽子嬢は仕事場で弁当を一緒に食べて
いるのです。あー、うらやましい。読者全員の憧れの眼差しが
彼と彼女の様子に注がれているのです。それから十年後、洋介殿には玄孫が出来るぐらいの子孫繁栄が
成されるのでした。(夜叉子だけに)そうして、人類の繁栄に、
又、個性ある子供達に喜ぶ陽子嬢と要介殿なのでした。
末永く幸せであって欲しいものです。その後、陽子嬢は薬屋と
なり色んな国で、薬学を学び、色んな薬草を集め、どんな病気
にも負けない特効薬を開発しました。めでたしめでたし。
追伸:Stone flowerと言う粉にすると足の筋肉の軟化作用を
促進させる薬で、按摩の効果を促進させる薬を開発したのも
陽子嬢なのです。スゴイですねえ。勇者だと思います。
バスタールはサグラダ・ファミリアを完成させた。
2021年末日のことであった。
十分な物を見せて貰った御礼。