表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

漫才 戦隊ヒーロー

作者: ちゃんゆい

ボ→ボケ ツ→ツッコミ


ボ「戦隊ヒーローっていいよね」


ツ「なによいきなり」


ボ「いや、憧れるでしょ誰もが」


ツ「まあ子供の時に将来は仮面ライダーになりたいとか、なんたらレンジャーになりたいなんて言ったりすることもあったね」


ボ「いや子供のときとかじゃなくて」


ツ「え? どういうこと?」


ボ「だから、目指してるから今。進行形で。ガチで活動してるんだけどさ」


ツ「いやいや、お前もういいおっさんだろうが! つーか何、俳優目指してたの? まぁ最近はそっち系から人気出る人いるけど、さすがに年齢的に厳しいだろ。だいたい今まで芝居とかそういうのやってたの?」


ボ「いや芝居とかそういうのじゃないから。オレ本物志向だし」


ツ「いや本物志向とかないから。全部偽物だからあれ」


ボ「まあ知られてないだろうね世間一般には。お前の知らないところでね、めっちゃ地球守ってるから」


ツ「知らねえよそんなん、なにから守ってんだよ」


ボ「それはもちろん、悪の組織的な?」


ツ「なんで疑問系だよ。おまえもよくわかってねえじゃねえかよ」


ボ「悪いよ~あいつらほんとに。改札とかバンバン飛び越えるから。悪だね。悪そのものだね」


ツ「なにその小悪党、スケール小さっ」


ボ「バームクーヘンだかなんだか知らんけど調子こいててね」


ツ「……それパルクールのこと? 我ながらよく拾ったわ。へ~でもパルクールとかなんかかっこよさそうじゃん」


ボ「あ! お前、さては……」


ツ「いや違うから、全然そういう一員とかじゃないから。なに構えてんだよ、なんだよそのポーズ。お前キーキー言う戦闘員っぽいぞそれ」


ボ「ここだけの話ね、ちょうど今チームの緑枠が空いてるんだよね~」


ツ「なにちらちらこっち見てんだよ? だからなんだよ、本当にここだけの話にしとけよな」


ボ「あっそう、まあそっちがそういう態度なら別にいいんだけどさ」


ツ「なんでオレがほんとは入りたいみたいな感じになってんの? はっきり言っとくけど絶対イヤだからな」


ボ「まあ強がらずに聞けよ。前の緑のヤツね、就職決まったみたいでさ」


ツ「地球の平和よりそっち優先なんだ?」  


ボ「違うな、あいつは逃げたんだよ。苦しい戦いに耐えられなくなって、敵前逃亡したんだ。就職という名の現実逃避」


ツ「いや現実逃避してんのはおまえのほうだろうが! それでいい年こいてフリーターかよ!」


ボ「こっちは遊びでやってんじゃないんだよ!!」


ツ「なにいきなりブチギレてんだよちょっと落ち着けよ、気にしすぎだろ」


ボ「え、なに? てことは、もしかしておまえも赤狙いなわけ?」


ツ「なんも狙ってねえよ、なにその嫌そうな顔」


ボ「っていってもねえ~、新人がいきなり赤っていうのは無理なのよ。ちゃんと色で序列あるから」


ツ「まあ赤がリーダーっていうのはなんとなくわかるけど、その他にも序列とかあんの?」


ボ「うちの序列は赤、青、黄、桃、緑、赤、黒みたいな順番になってるから。自然と」


ツ「おい赤二人! 赤二人いるぞ!」


ボ「あ、二人目のは赤っていうか暗めの赤だから。ワインレッド。ワインレッドはマジどうしようもないヤツだから。あんだけのクズは見たことないわ」


ツ「お前にそんだけ言われるって相当やべえな。てかわかりづらいよ、でそれより低い黒ってなんなんだよ」


ボ「黒はそのうち裏切るからね、みんな密かに警戒してんの」


ツ「密かにって言うかバリバリ下に見てるよな? つーか黒裏切んなよ」


ボ「最近思ったんだけど、あと茶系のがいてもいいと思うんだよ。シニア枠」


ツ「いやいらないだろ。そういう枠いらないから」


ボ「言うて高齢化社会ですから。孫と一緒に見てるお年寄りが自己投影できるようにね。うわぁ~また茶がハブられてるわぁ~って」


ツ「ハブられんのかよ、気分悪いだろそれ」


ボ「で、そのうち茶頑張れ! ってなったらこっちのもんだよ。そこでついに来るわけね。茶にスポットを当てた茶の回が」


ツ「別にそんなもん来なくていいよ! だいたいそれどういう話だよ」


ボ「舞台は病院の待合室。そこに突如として現れる悪の組織。病人を飛び越え車椅子を飛び越えて……そこで腰痛に悩まされている茶は変身するかどうかさらに悩む。レンジャーとカンジャーの間で揺れ動く葛藤を描いたシリアスな話だ」


ツ「なんだよカンジャーって! 患者だろ、伸ばすんじゃねえよ! 腰弱いならおとなしくしてろよ!」


ボ「まあ仮に茶入れるとしたら序列はこうかな。茶、赤、青、黄、赤、桃、黒、赤」


ツ「茶リーダーかよ! あとさりげに赤増やすな!」


ボ「お前がどうしても赤っていうからさ、枠増やしといた」


ツ「一番下かよ、裏切るやつより下かよ」


ボ「じゃ、あさって朝五時にホーム集合だからよろしく。遅れるなよ」


ツ「なにそのハンドサイン。てかムダに朝早いな、だいたいそのホームって何よ、秘密基地的なアレがあるわけ?」


ボ「いやあそこの、二丁目のセブン曲がったとこの」


ツ「老人ホームかよ! もういいわ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 笑いました!! [一言] 面白かったですよ!!
[良い点] 流石です。 それにちゃんゆいとは……。 唯李ちゃんか!
2019/09/23 00:24 退会済み
管理
[良い点] 控えめに言って最高。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ