あ、二回続いた。
現在の内火艇を知っている人はあれ? と思うでしょう。
現在の内火艇は真ん中に艇長が立って、そこで舵輪を握って出力調整もそこでできるのですから。
でも今から語るのは三十年前です、ようやく現在の新しい内火艇が出て来たぐらいですので殆どが今から書く内火艇でした。
そこを踏まえて読んでくださると助かります。
ではでは、艇長が機関長に出す合図からでしたね。
艇長は常に笛を携帯しています、あのドリフでチョーさんが吹いていた笛です。
始めに艇長は、ピッ! と短く吹いて「表離せ」とバーメンに命じます。
するとバーメンの私は爪竿で艦を突いて艇を外側へと向けます。
そうしたら艇長は、ピ、ピッ、と二回吹きます。徐行です。
水路の安全が確認されると、ピーー、ピーー、と長く吹くと全力です。
桟橋に付ける時は逆ですね、バーメンはロープを持って桟橋に飛び移り、ロープを引っ張って艇を固定します。
時々行き足が止まらない時は後進を掛けます。
後進は、ピ~~~~、と後進の間吹き続けて止める時に、ピッ、と短く吹いて止めます。
桟橋に付いたら機関停止です。
「左小回り、右大回り」と言う暗黙の了解もあります。
先が見えない所を曲がる時は、左なら小さく曲がって右なら大きく曲がる事によって正面衝突を回避します。
それと内火艇は小さいので他の船が通った後の航跡を超えるのも大変です。
私が教わったのは航跡に対して直角に船が当たる様にしろ、でした。他の人は当てる角度が違うみたいだったけど、真横から受けたらバーメンは海へ落ちてしまいます。
次は内火艇のいろんな事を書きます。




