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憧れは、身を滅ぼす。
衣食住。今考えると自衛隊は良いところだった。
衣は制服、作業着、靴下、下着、軍手などが支給される。下着類は十分とは言えないが・・・・・・。
食は言わずと知れた海軍メシ、お代わり自由で陸上よりお金が掛かっている。現在食費でキュウキュウ
いっている自分には本当に羨ましい。
住は艦が家である。下宿などは取っているが基本住所もそこになる。
衣食住が付いて更に公務員、安定収入で高給取り。あぁなんで辞めちゃったのかなぁ。
ただ、不便な面もある。
一ヶ月の半分は海の上で、夜になっても飲みに行けない。それどころか夜まで訓練が続くことがあり、十分に睡眠も取れない。
港に入港しても当直で基地から街に出られない、夜は夜で海士には厳しい整列がある。
不祥事や遅刻などしようものなら数少ない上陸も罰として禁止される。
住むと言っても三段ベッドの一番下だ、目の前三十センチには二段目がある。階級が上がれば上段へ行ける。
ハッキリ言ってプライベートは無い、若いリビドーを発散させられる場所は無い。トイレも足が丸見えだしね。
一般人の生活に憧れてしまうのです。




