怖くなんかないんだよー、キングー、コングは友達さ。
江田島で出会った足をまさぐる手ちゃんはその後も付いて来たみたいで、艦を下りて補給所勤めとなってからも現れる様になりました。
補給所の仮眠室で背中を壁に付けて左肩を下にして寝ていた所頭の上から現れました。
頭の天辺あたりから手を伸ばして私の両目を中指と人差し指で、グッ、グッと押すのです。
目つぶし! てぇ感じではなく優しく押すのです。
私が頭を動かすとスッ、と下がって今度は頭の天辺あたりをグッ、と押してきます。
そして消えて行きました。その後目が物もらいになったので、これを注意して来たのか? と思っています。
自衛隊を辞めて田舎に帰ってからも出て来て、自分の部屋で寝ていると今度は手刀で左肩を軽く突くのです。
一体何がやりたいのか、私の方はいつも金縛り状態でしたがこの時は違いました、動いたのです。
肉体ではなく幽体が。咄嗟に私はその手刀の先をグッ! と握りました。
すると相当痛かったのでしょう、「放して、痛い」という感じが伝わりました。
私は直ぐに手を離したのですが……、それからその手ちゃんは現れてくれません。
この事について大阪の霊能者に相談に行ったのですが、大きな魚を入れるビクが見えたそうです。
どうやら魚を取りに来て亡くなった方だと言われました。




