兵長の時のことはあまり覚えて無いの。
あぁ、バイク欲しいなぁ。でも三十万かぁ、ローンにすると四十万・・・・・・どうしようかなぁ。
と悩んでいる二十二隊です。
マジ今乗っているバイクが油漏れしててボロボロなんですわ、早く買い換えて高速で九州まで帰ろうと思ってます。
それはそうと「痛い」の続きです。
「これは「しまゆき」での話しです。
しまゆきで私は古参の海士となり、私の上は二人ほどとなんていました。
なので夜の整列の号令は私が掛けます。こーゆーの得意ではないのです。
夜、岸壁の明かりでなんとか近付けば人の顔が分かる暗さの中、整列が行われました。
始め少し優しい先輩が艦首の揚錨機に座って私達を見ていました。
恐い先輩は後から出て来ます。
私は号令を掛けます。
「…つけーーっ!」(「きょ」は言いません)
「おい、やつはまだ出てこないから休ましとけ」と先輩が言うので。
「…すめーー!」(「や」は言いません)
すると恐い先輩が箒を持って現れます。適当な「叩く物」が無かったのでしょう。
現れるやいなや。
「なんだぁ! お前ラァ、なんで休んどるんだぁ!」
私は慌てて号令を掛けますが遅かった、優しい先輩がー。
「いや、俺が休めとー」と言いかけましたが。
バキーーーッ!
箒は振り下ろされていました、私の頭の上に。
箒の竹の部分はもうグチャクチャで使い物にならなくなっていました。
なので叩かれたのが一回で済みました、ラッキーです。
それから延々と説教が続き、前支えが始まります。
この時は何をやらかしたんだっけ?
そしてとうとう、とうとう私が兵長、一番海士の上になる日が来るのです。
まぁね、六年も士長のままとかあり得ませんて。・・・・・・試験には通ったのになぁ。




