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試しにやってみた。

「3」「2」「1」


「ドカ―――ン」「わーーい」


 画面に何処かで見た様なキャラクターが、無数の星と一緒に数体映し出された。と同時にタイトルが表示される。


「なぜなに自衛隊!」


 画面が切り替わり何処かのスタジオが映し出される、スタジオの壁には岸壁に並ぶ護衛艦の写真が大きく張られている。


 その前に低めの白い衝立があり、その上にヒョッコリと手にはめ込む形のパペットが現れる。


「やあみんな、僕は護衛艦の妖精まきぐも君て言うんだ、これからみんなと海上自衛隊の事を勉強していくよ。よろしくね!」


 まきぐも君は護衛艦を模した体をコロコロと左右に揺らしながら、艦番号の114と書かれた所が口の様に開き喋り出した。そしてつぶらな瞳がその少し上でキラリと光っている。


「そして色々教えてくれるのがー、この人! おねーさーん」


 まきぐも君が呼びかけると画面の端から、ットトトト、と小走りで黒猫をイメージさせるメイド服を着て女性が出て来た。


「はーいみんなー、初めましてにゃ、解説の和美おねーさんだにゃ。護衛艦の事なら何でもきいてね♡あ、にゃ」


「わー……、それにしても凄い格好だね。メイド服に猫耳猫シッポなんで。お姉さん二十歳超えてるのに」


「ッ! ま、まきぐも君なに言ってるのかなぁ、和美は十五才にゃ」


 と、肩まで伸ばした髪を揺らしながら可愛く猫のポーズ。


「(小声)ゲッ! それは無理があるだろ。気持ち悪いぞ」


 和美は衝立の方に屈みこんで。


「(小声)なによ、こんなアドリブ聞いてないわよ」


「(小声)プロだろ、ちゃんと返せよ。もいいい始めるぞ。

ア、アハハ、それで第一回目は何を教えてくれるの? 和美お姉さん」


 和美は正面に向き直って無理やりニッコリと笑うと。


「はい、今日はまきぐも君が所属する第二十一護衛隊についてお話ししますにゃ」


「へえ、僕の立ち位置についてだね?」


「そうね、くもクラスはネームシップが『やまぐも』でやまぐも型とも言われているのにゃ」


「僕のお兄さんが『やまぐも』で、弟が『あさぐも』なんだよね」


「そうね、やまぐも、まきぐも、あさぐも三艦で二十一隊を構成しているにゃ」


「だけど弟の『あさぐも』だけ少し形が違うんだ、どうして?」


「あーそれはね、艦尾にえい航式ソナーVDSを搭載していないからだにゃ、その分艦尾が膨れてないのにゃ」


「へー、そうなんだー。勉強になったよー」


「今回は第二十一護衛隊について勉強しましたにゃ。みんなも何か知りたいことがあったら質問してにゃ」


「和美お姉さん今日はありがとー。じゃーねーみんな、次があったらまた会おうねー」


「えっ、次無いの? これで終わり?」


「ばいばーい、あでぃおーす」


「ねえ本当に終わりなの? ねえってば、ちょっとー……」


 ブッン! ザ――――――ッ。


 画面が真っ白になりその後砂嵐が続く。

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