だれかー、オラに愛を教えてー。
遠洋航海に出発する前に私達は日本の各港を回る。
そこで印象深かったのが大阪と鹿児島だ。
大阪に入港したとき岸壁は歓迎ムードだったが、港の外は全く違っていた。
「我々はー、大阪港の軍港化を阻止するぞー! 阻止刈るぞー!」
「自衛隊はー出て行けー! 出て行けー!」
と、特別な歓迎を受けました。
ただこの団体さんは入港時と出港時にしか現れず。
「我々はー、大阪港の軍港化を阻止したぞー、おー!}
と、出港するときも大騒ぎしていました。まぁその通り以後大阪港に入港することはありませんでしたけどね。
「右、帽振れ」の号令が掛かったので思いっきり振ってやりました。
次に鹿児島のことです。
珍しいことにイルカが艦の横を並走しています、これは外洋では良くありましたが港の中では初めてです。だけど良く見ると何か変です、特に頭の辺り・・・・・・、あ、ハンマーヘッドだ。
そう、イルカではなくサメでした。
桜島を横に見て投錨した私達は白熊で有名な天文館へ向かいました。
基本一人でブラブラする私は似顔絵を描いて貰ったり、占い師に占って貰ったりしました。
似顔絵を描いて貰った後サラリーマン風の人が絵描きさんをこんな所に居たのですか、と呼びに来て。
「あなたこの人に書いて貰うなんて凄いことですよ」
と、言っていた。当の本人は。
「い、いやぁ、今日は疲れているから」
と、何か言い分けみたいなことをほざいてました。あれから三十年、有名になってたりするのだろうか?
一応今でも持ってます。
次に占いですが、これが妙に雰囲気のあるおじさんで見たことのない細い板をカチカチと並べ替えて占ってくれました。結果ー。
「今の職業は辞めない方が良い、もし辞めたら次々と職を代わることとなるだろう」
当時、辞められる物なら辞めたい、と思っていたのですが・・・・・・、大正解! 私は幾つ職を代わっただろう。
「三十後半で立てなくなるほどではないが足に大怪我をする」
これも正解、骨は折れなかったが重い物を足に落とした。
「結婚は・・・・・・、遅くなるが、できる」
これは不正解でした、相手の名前まで書いて貰ったのに・・・・・・・。
当時色んな場所で色んな人に占って貰ったなぁ、全て結婚ができるかどうか、だった。
予感があったのだ、自分は一生独身で好きな人が出来ないと。




