救助訓練。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「よし、それじゃあ救助訓練に戻って解説するぞ」
「元々は甲板に白く塗装されている突起物の解説だったわよね」
「えっ、そうだったかな。まあ後からそれも解説するよ」
「またコロコロ変わらないようにね」
「り、了解。えっとどこからだったかな、『まきぐも』では艦橋の当番でマイク係だった事は話したよね」
「ええ、司令部付きの人に捕まって溺者にさせられた話ね」
「そうそれ。だけど『しまゆき』に乗艦した時は救命浮管を投げる係になったんだ」
「救命浮管て何よ」
「あれ ? 見たことなかったかな。ほらオレンジ色の浮き輪だよ」
「あーあれね。白ペンキで艦名が書いてあって、硬い発泡スチロールでできてるやつ」
「そうそれ、僕は溺者にロープ付の浮管を投げるんだ。と言う事で訓練を最初から追っていこう」
「あー少し長くなるパターンだ、大丈夫 ?」
「きつくなったら来週に回すから大丈夫。そーゆーことで訓練の始まりはオレンジ色の人形を海に落とすことから始まるんだ」
「へー、実際に落としてから拾い上げるのね」
「ああ、因みにのっぺらぼうでビニール製だ、海には浮くが重さも人と変わらない。落とすと同時にマイクが入る」
「想定は航海中の作業、もしくは訓練中に足を滑らせて海に落ちた。と言う事ね」
「うん、そんでもって『教練人が落ちた、右っ !! 救助艇用意』から始まるんだ」
「左右は決まってるの ? この間右だったから今度は左とか。それと救助艇って内火艇よね」
「どうだったかな、ほとんど右だったような気がするよ。それとそうだね内火艇だよ」
「作者はこの号令が入ると救命浮管を取りに行くのね」
「そう、でもその係は僕だけじゃなくて他に二人ほど居たから自分が使う浮管は決まっていた」
「救命浮管の他には何を投げるの ? 人形は掴むことができないからー、竹竿でも使うの ?」
「いや、ちゃーんと人形に引っ掛ける物があるんだ。と言う事で今日はここまで」
「眠くなったのね、もう少し頑張りなさいよ。あー無理か、それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。




