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第一作業隊整列。

「3」「2」「1」「どっかーん」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「さてさて、港で停泊中の護衛艦の休日は如何にっ!!」


「休日だから皆上陸して遊んだりダラダラ寝てるんでしょ」


「フッ、甘いな。休日にはいろいろな危険があるんだよ」


「危険 ? なにそれ」


「第一に休日だからって全員上陸できるわけじゃない、ちゃんと艦に残る当直員が居ます」


「あっそうだったわね、でも休みだから働かなくてもいいんでしょ」


「そう、基本的には課業は無い。でも下っ端海士にはそれはない、当然だけどワッチ(一分隊は舷門)に立たないといけないし、その他細々した作業がまっているんだ」


「細々ってどんな作業よ、ちゃんと休まないと労働基準法違反よっ」


「労働基準法ねぇ、自衛隊にはあんまり適応されない法律だから」


「ううっ、で、でもーまあいいわ。でっ、休日にどんな作業があるのよ」


「うん、普段の課業ではあんまりやらないやつなんだけど、例えば皆が被る鉄バチがあるじゃん」


「ああ鉄兜ね、それがどうしたのよ」


「あれは顎あたりで縛って固定する紐があるんだけど夏なんかは汗をかくからすぐに汚れるんだよね」


「もしかして全隊員の鉄兜の紐をー」


「いやいや、それはない。班員のだけだよ、でも面倒なんだよね鉄兜から外して手洗いして元に戻すのは」


「へえ、手洗いなのね。他にはあるの ?」


「居住区の皆が使ったコップを洗ったり、一番面倒なのが作業隊かな」


「作業隊 ? なにそれ」


「一番号令で多いのが『第一作業隊整列、陸上』なんだ、これは各分隊で整列する人数が決まってるんだ」


「さっき作業はしないって言ってたよね ?」


「作業じゃないよ課業はしないんだ、これは平日なのに護衛艦が休みの時にかかる号令だ」


「長い航海から戻ってきて、やっと休日なのに世の中は平日で色々搬入されてくるのね」


「うん、そんな感じ。でもある日一回だけ号令が掛かっても整列しなかった時があって滅茶苦茶怒られた」


「何で整列しなかったのよ」


「単純に号令が聞こえてなかったんだ。特に僕はヘッドホンして音楽を聴きながら寝てたんで」


「えー、それで怒られたの ? 休日に周りに迷惑かれない様にイヤホンつけてただけなのに」


「まー仕方ないよね、連帯責任だもん。それに特に厳しい兵長だったから」


「そっかー、そーゆー時代だったのよねぇ。今じゃ考えられないのかしら」


「どーだろうねぇ。よし、今日はここまで」


「それじゃあみんなー」


「「バイビー」」


 ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。

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