舷門送迎。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「よーしっ、今回からバトラー軍曹の動画に突っ込みを入れてくぞっ」
「待って、それって大丈夫なの ?」
「大丈夫って、何が ?」
「えっ、えーと、もう ! 版権とかいろいろとよっ」
「心配ならお姉さん断ってきてよ」
「えーっ嫌よそんな面倒そうなこと」
「でしょ。まあこんな小説まがいの書き込み気にしないって」
「あー、また書き込みって言ったぁ。でもそうね向こうは人気ユーチューバーだから、こんな箸どころか下水道の穴にも引っかからないのに文句の付けようがないわね」
「げ・・・・・・、そ、そうそう。だから気にしなくていいよ。と言う事ではじめようか」
「ええ、了解よっ。で、今回のお題は ?」
「うん、有名な所で口笛の禁止。かな」
「バトラーさんの物語では遠くにいる人に気づいてほしくて口笛を使う話ね」
「うん、これを見てやっぱりあまり物語を作るのは大変だなぁって思うよ。陸自の人にはね」
「どんな所が大変そうなの ?」
「うん、まず艦内艦外問わず口笛は禁止なんだけど、これの理由は号令の前に吹かれるサイドパイプと間違われるからなんだ」
「そうそう、バトラーさんの動画も舷門送迎と間違われてたわね」
「そう問題はそこ、舷門送迎なんだ。お姉さんはどんな時にこのパイプを吹くと思う かな ?」
「えっと送迎だから迎え入れたり送り出したりするのよね」
「そう、これは艦長以上艦隊司令などが乗艦すときに鳴らすパイプなんだ。ほら横須賀の記念館三笠に乗艦する時に微かに聞こえてる笛の音、あれが舷門送迎なんだ」
「えっ、そんなの行ったことが無いから分かんないわよっ」
「ごめんごめん、主に当直海曹が吹くパイプで肺気量が求められるんだ」
「当直海士はその時何もしないの ? それと肺気量 ? 長く吹くの ?」
「当直海士はドアマンをやったりするんだ。そうその通り、このパイプは二回吹くことになっていて、一回目は指令が乗る車が舷門到着するまでで、二回目は車を降りて舷門を通過するまでなんだ」
「た、タイミングも大事ね。で、どんななのそのパイプ音は」
「これは雑令のパイプで、ホ~~~~~、ヒ~~~~、ホ~~~~。をタイミングよく二回繰り返すんだ」
「と、言う事は指令を待ち構えてる所で口笛を吹いちゃった。てぇことね」
「そういう事だね。でも旗艦でもないのに指令はなかなか乗艦しないんだ。だから舷門送迎をやったのは僕は一回しか覚えてない」
「そんなに珍しいのね、まあ舷門送迎 ! って言われても一般の人には分からないからセーフじゃないの ?」
「そうだね、ここらへんが物語を作る大変さ、かな。そーゆーことで今日はここまで」
「それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。




