短魚雷の秘密。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「それじゃあ短魚雷の解説から始めようかっ」
「まった、いつもの『お断り』をしとかないとダメよっ」
「あっそうだった。この解説は三十年以上前の情報で解説しています、なので現在とは全く違う可能性があります。これでいいよなっ」
「えーと、全くは言い過ぎじゃないの ?」
「いやいや、最近の護衛艦は僕から見たら宇宙船みたいなものだからね。言い過ぎではないと思うよ」
「そうねぇ、分かったわ。それじゃあ早速始めてくれるかな」
「了解。それじゃあ短魚雷があるんだから長魚雷もあるんだなこれが」
「長魚雷って潜水艦に搭載されてるやつよね」
「そう、短魚雷は対潜水艦用で長魚雷は対艦艇用なんだ。だから護衛艦は短魚雷を搭載してるんだ」
「搭載されてるのは魚雷だけなの ? 昔は爆雷とかあったわよね」
「うん、僕が居た時までギリギリ現役だったのがボフォース・ロケットランチャーだね。これは爆雷を近くに落とすとスクリューや舵が損傷するので、爆雷にロケットをくっつけてなるべく遠くに飛ばそうとした武器なんだ」
「へー、他には無かったの ?」
「他にはヘッジホッグがあったな。これは小さな爆雷を数十個模様を描くように落とす武器なんだ。搭載してたのは『あまつかぜ』と練習艦『かとり』だったかな」
「実際に撃った所は見たの ?」
「いや、もうお飾り状態であっという間に無くなっていたね。もういいかな、そろそろ短魚雷について話したいんだが」
「あ、ごめんなさい。解説して」
「よし、僕が乗艦していた『まきぐも』と『しまゆき』には二つの対潜武器が搭載されていたんだ」
「あっ、知ってる。短魚雷発射管とアスロックよね」
「うん、アスロック・ミサイルランチャーはできるだけ探知した潜水艦の真上に落とす為にミサイルと短魚雷をくっつけたんだ」
「発想はボフォースと一緒なのね。後はミサイルとロケットの差なんだけど……」
「アスロックに搭載されている短魚雷は頭に尖ったキャップを付けていて、平らで壊れやすい頭部を守ってるんだ。これは着水と同時に外れるようにされてるんだ」
「……へー、そーなんだー」
「……つ、次に短魚雷発射管なんだけど、もう時間なので今日はここまでにしようかな」
「はい、了解よ。それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。




