雑音。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「よし、今回は先週と同じ後甲板から下ろす物を紹介するぞ」
「紹介 ? なんで解説じゃないのよ」
「これは解説できるほど詳しくはないんだよ」
「今更よっ、ほとんど解説できてないわよね ?」
「うっ、それは幹部なら兎も角一般の兵にそんな詳しく解説はできないよっ」
「あーそうね、私が悪かったわっ。で、今回紹介するのは何よ」
「うん、今回紹介するのは『雑音発生装置』さっ」
「なにそれ、武器なの ?」
「武器じゃなくて防御の為の装置かな。だけど今の護衛艦にはもう装備それてないかも」
「それって役立たずだから外された、てぇこと ?」
「いや、最近代わりの装置が搭載されたんだ。たしか囮の魚雷だったかな」
「あー、短魚雷より小さな魚雷だったわね」
「そうそう。僕は見たことが無いから何とも言えないけど、追尾してくる魚雷をかく乱する。という役目は同じなんだ」
「今も昔も長魚雷に追尾されたら終わりなのよね。分かったわ、と言う事は名前からして雑音で追尾魚雷を回避するのね」
「うん、実際にこれを海中に落とすことはしなかったけど、甲板上で音を鳴らしたことがあるんだ」
「待って、形状から説明して」
「あっ、そうだった。先週のBTは細いワイヤーで三百メートル流したんだけど、今回のは太いチューブなんた。だから百メートル若しくはそれ以下の長さかな、そしてその先端に又もミサイルの様な物が付いてるんだ」
「へえ、そのミサイルの様な物の胴体から音がするわけねっ」
「うん、ガラガラ!! って物凄い音がするんだ」
「それって本当に追尾魚雷に有効だったの?」
「さあ。有効だったから搭載された、と思うんだけど。きっと魚雷の性能が向上して騙され無くなっちゃっただろうね」
「それはあり得るわね。海中でチャフみたいに大きく広がればいいのにね。あっ、作者にちょっと聞きたいんだけど」
「何かな?」
「魚雷はどうやって目標を追尾してるの?」
「あーそれね、じゃあ次回はそれを解説しようかな」
「えっ、紹介じゃなくて解説なのっ」
「一応これでも魚雷員だったからね。それぐらいは何とか解説できる……かな?」
「へーっ、楽しみにしてるわね。それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。