水側員が艦内からやってくる。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「よし、今日は水側員が夜中やっていたことを解説するぞっ」
「ちょっとちょっと、食卓番の続きはどうすんのよっ」
「あーあれね、チット面倒なんで止めちった」
「……今から話すのは面倒じゃないの ?」
「うっ、ま、それなりにだけど何とかなるでしょ」
「それならいいけど、あんまりコロコロ変えないでよねっ」
「了解了解、と言う事で『まきぐも』で後部見張りをしていた時のお話だ」
「普通海士は艦橋の左右見張りだけど作者は魚雷員だったので後部見張りをしていたのよね」
「そうそう、普通海曹が配置されるんだけど海曹が少なかったからね」
「一人で後部をウロウロしてたの ? 冬場も吹きっさらしの所に立ってたの ?」
「夏場は艦尾灯が見える所でウロウロしていたけど、寒くなると倉庫の中に退避してたね」
「そう、それで水側員は夜に何をしに来ていたの ?」
「そう、それなんだけどさ、僕もよくわかんないんだ」
「アンタそれでどう解説するつもりなのよっ」
「まあ分かんない事はそのうち誰かが解説してくれることを信じて、横で見ていただけなんだけど解説するぞっ」
「はいはい、丸投げするのね」
「先ずは艦橋から『BT測定用意』と号令がかかるんだ、すると艦内から水側員が二名がミサイルみたいな物を持って現れる」
「えっ、ミサイルを撃ちあげるの?」
「違う違う、これは海中に落とすんだ。長さ六十センチぐらいのでこの中に顕微鏡なんかに使うガラスの板をセットするんだ」
「そんなんで何を測定するのよ」
「だから分かんないんだって、海中の温度かなとは思ったけどそれだったら温度計使うよね」
「そのガラスに何かあるのね」
「うん、ガラスの表面に何か塗ってあるみたいだったけど……」
「何やってんのっ、て水側員に聞かなかったの?」
「聞いた気もするけど……、よく覚えてない」
「ハァ、仕方ないわね、この次までに思い出しなさい」
「えっ、それは無理ー」
「それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。




