『コツ』
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい、今回は『コツ』を解説してもらうわよ。あーダメダメ、反論は許さないわっ」
「フゥ、わかったよ。じゃあお姉さん鉄板と聞いてどんなイメージがある ?」
「そうね、黒くてぶあつくて重い」
「それ装甲版。今回のは軽いステンレス製で台形の凹みが六個付いてるやつなんだ」
「そうよね、そんな重い物食事の時に持って歩けないわよね」
「まあ二十枚以上重ねるとけっこう重いけどね。それを朝昼晩とそれぞれ二百枚い程度洗うんだから普通に洗っていたら終わらないよね」
「合わせて六百枚か、そりゃあ終わらないわね」
「だから早く洗う『コツ』があるんだ」
「おっ、いよいよコツの発表ね」
「まずは朝なんだけど、オカズはそんなに多くなくて味噌汁とお茶を上段左右のくぼみに乗せるので汚れない。問題は下段中央のご飯を乗せる場所なんだ」
「朝は中央のご飯を乗せるは所を重点的に洗うってえこと ?」
「そう、ご飯は粘着するからね。それと鉄板は凹みを合わせて積み上げない」
「なるほど、鉄板の裏側にも汚れが付いてしまうからね」
「そうそう、それとピチットくっ付いて一枚ずつ取るのに苦労するからね」
「さてと、いよいよ洗っていくわよ」
「よし、洗浄室には二つのシンク、水を貯める所があって案外水を自由に使えるんだ」
「水を出しっぱなしにできるの ?」
「うか、ある程度はね。まずは洗剤を入れた水槽にザブン、と⒌六枚の鉄板を入れるんだ」
「ここから食卓番の戦いが始まるのね」
「と、今日はここまで。それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。




