特別編 その四。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい続きよ続き、銀髪の少女はなぜ作者に話しかけたの ? 大体外国の兵士に話しかけるなんて、それも団体で行動しているのに」
「誰が団体で行動してるなんて言った」
「えっ、外国の町へは一人で出ずに必ず三人以上で行動しろ、って言われてたんでしょ ?」
「あ、そういえばそんなことも言われてたなぁ。でもこの作者だぞ基本単独行動なんだ」
「あ、あー、そうね、作者はボッチだったわね」
「ボッチ言うなっ、孤独を愛してるんだっ。兎に角僕は当時一人で街中に居たんだ、だから声をかけてきたんだろうな」
「えっと何だっけ、あっ、ワンダーラプリーズ。だったわね」
「そう、訳すと1ドルちょうだい。となるな、当時1ドルは220円だったかな、一回目の『まきぐも』の時は330円だった」
「今は140円ぐらいよね。作者のことだから10ドルぐらい渡して連れまわしたんでしょ」
「馬鹿、僕がそんなことできるかっ。でも上目使いで恥ずかしそうに呟くんだもんなぁ。でもそこでハッとしたんだ」
「後ろの方に大男でも隠れてたの ?」
「いや、以前『まきぐも』の時インドに行ったんだけど、そこで子供にお金を渡したらいけない。と厳重に注意されてたんだ」
「あー、子供たちがワラワラと集まってきて『こいつにお金を渡したのに何で俺にくれないんだっ !!』と暴動みたいになる、って言われてたのよね」
「そうそう、だから僕は英語が分からないふりをして何とか逃げ切ったんだ」
「でも当時発展途上のインドならわかるけど、先進国のオーストラリアでー、そんなことあるの ?」
「それなんだけど……、いろいろと事情があるかもね。最後に少女は両袖がないワンピースを着ていたんだけど両腕にビッシリと彫られてたんだ」
「えっ、彫られてた ?」
「青い唐草模様みたいな入れ墨がビッシリと。僕はそれを見てあ、ヤバいと思って逃げたんだ」
「少女が両腕に入れ墨 ? 絵じゃないの ? それかシール」
「いや、見た感じものほんみたいだった。もしかしたら体全体にー」
「と、とにかく逃げて正解だったかもね。その少女が今も元気にしていることを祈るばかりだわ」
「うん、僕も祈るよ。それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




