ざんげ
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「やらかしてくれないっ!!」
「いきなり何なのアンタ !」
「いや二週間以上待ったのに、海自が何もやらかしてくれないんだ。これじゃあネタがっ、ネタがっ」
「海自がそうポンポンやらかすわけないじゃん。どおすんのよ」
「仕方ない……、懺悔しょう。僕が今までやらかした事を」
「何々、私に懺悔するの ? いいわよキッチリ罰を与えてあげるから」
「いやそこは『ゆるす』でしょ ? あ、まあ一応聞いてくれ和美お姉さん」
「ええ、言ってみんさい」
「実は自衛隊にいた時からなんだけど、アーケード商店街にあるレコード屋さんで買い物をしたときお釣りを多く貰っちゃったんだ」
「へぇ、ラッキーじゃない。昔はバーコードとか無かったもんね」
「えっ、あ、そうなんだけど多いって気づいていたのにそのまま店を出ようとしたんだ」
「何、そのまま出れなかったの ?」
「うん、他の店員が気づいてね。気まずかったなぁ」
「フン、間違った店員が悪いのよっ」
「僕もそう思えればいいんだけどね。どうも僕の癖らしくてその後も気づいているのに申告しないで逃げる傾向にあるんだ。これは今生で直さなくちゃいけない物の一つだと思う」
「何よっ、間違える向こうが悪いのよっ。そんなのラッキーって思ってればいいのよ」
「……ぜんぜん懺悔になってないな。最近でもビールの 6缶パックを買った時パニクッてたバイトが缶の方のバーコードを読み取らせて残りの 5缶まるまるタダになった時があって」
「おおっ、いいわね。めったにないわよそーゆーの」
「だからそれを懺悔して直したいんだよっ。きっとあのバイトめっちゃ怒られてるぞ」
「……さっきからずっと許してるのに文句ばっからね。どうしてほしいのよ 」
「えっ許してたの ? あ、そう言われればそうか」
「しゃ、懺悔おしまいね。次回はちゃんとしなさいよ」
「う、うん。それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




