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見張りも慣れると眠くない。たぶん。

 士官室係、CPO(先任海曹室)係、シャリ番。


 これらの係になれたら当直は免除される。当直と言っても艦内哨戒第三配備の当直だ。


 一直二時間なので四時間毎に起こされなくて済む。


 因みに第二配備になると半分ずつ砲台や管制室への配置となる。


 だから係になると夜はゆっくりと眠れる。


 士官室係の仕事は朝からコーヒーを作ることだ、備え付けのコーヒーメーカーがある。


 当時私はブラックで飲めない人だったので、味の方は分からない。


 そして朝食準備だ、食堂でバッカンに味噌汁を入れて貰い士官専用の食器に入れてテーブルに出す。


 さながらボーイである。ちゃんと左横からスルリと出す様に教育される。


 士官室係には狭いが調理室も用意されている。電子レンジもあった。


 ただ、士官室係には致命的な欠点がある。


 それはお昼が終わって次の訓練が溺者救助訓練だと、必ずと言って良いほど引き留められる。


 訓練に関係の無い補給長が。


「まぁ良いじゃ無いか、ゆっくりしていけ」


「いえ、もうすぐ訓練が始まってしまいますからこれで・・・・・・」


「いや、良いんだよ。だってお前は溺者になるんだから」


「えっ!?」


 そうこうしているうちに訓練は始まり。


「1分隊〇〇士長が見当たらない・・・・・・、溺者は1分隊〇〇士長!」


 とマイクで放送される。するとー。


「よし、行ってこい」と言われて解放され、溺者として訓練に参加することになる。


 これだけなら良いのだが、この溺者になるのが分隊の恥だ! と思っている海曹が多くて・・・・・・。


 次に先任海曹室係だが、艦内の老人ホームとも呼ばれ海士からのたたき上げの一曹や曹長が居る場所だ。


 基本的には士官室と同じだが、これがメッチャ狭い。


 係の個室もない、二人並んで皿洗いもできない。


 これぐらいしか記憶にない。


 シャリ番はこの名前で呼ぶと怒られた記憶がある。正式には・・・・・・忘れちゃった。


 兎に角隊員のためにお茶を用意して、小済みのプラで出来たコップとお椀と鉄板を洗う。


 鉄板の方は毎度加熱消毒する、真水が豊富には使えないのでお世辞にも綺麗とは言えない。


 加熱すると手で触れないので冷やすのは苦労した。この鉄ーじゃないステンレスか、こいつは重ねるともの凄く重い。洗い方も特別だ。


 一つ一つ丁寧に洗っていたら水も時間も足りない、ステンレス板は一つのヘコみに二回ほどスポンジでクルクル洗って直ぐすすぎ、加熱用の冷蔵庫みたいなやつに叩き込む。


 食い残し等を捨てに行くのも大変だ、いろいろ混ざった物を艦尾までこぼさないように持って行く。


 空き缶なんかも纏めたり食堂の掃除も仕事だ、もう大変。


 だけど夜ちゃんと眠れるんだよねぇ。

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