怖いですねぇ。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はい、ということで今週は錨鎖庫の話をするぞ」
「とうとう錨鎖庫殺人事件の検証をするのね」
「えっ、そんなことはー」
「しないの ? するわよねぇ」
「……するけど、状況証拠が少なくて……。ええい仕方ない状況を整理していこう」
「そうそうその意気よ。まずは現場ね、遺体遺棄現場は戦艦の錨鎖庫ね」
「うん、そしてこれは航海中の出来事で、機関課の乗員が行方不明になってその錨鎖庫で見つかったんだ」
「たしか幽霊になって場所をおしえたのよね、どうせなら誰にやられたのかも話してくれれば良かったのにね」
「そうだね。これからが私の推理なんだけど、犯人は複数いてかなり被害者を恨んでいる可能性があるんだ」
「へー、まずは犯人はどうして複数だと ?」
「前にも話したけど部署が違う区画にはめったに入ることが無いんだ」
「護衛艦に置き換えると被害者は三分隊ね、で錨鎖庫はー」
「出入港関係だから一分隊だよ。いくら夜だからといって関係ない分隊員が出入りしたら結構目立つと思うんだ。でも一分隊の者が一緒なら問題ない」
「それで複数と考えるのね。それじゃ恨んでいる根拠は ?」
「うん、これが恐ろしくて普通に海へと投げ込んでいれば事故や自殺も疑われるのにわざわざ錨鎖庫に遺体を放置したことだね。これで他殺が確定している」
「そうか、居なくなったイコール海に落ちた。と考えるのが普通だもんね。それで恐ろしいって ?」
「遺体が見つからず入港して錨が下ろされていたらどうなっていたと思う ?」
「あ……、ミンチ ?」
「そうだね、どこの誰かもわからなくなるぐらいにね。戦艦の錨鎖だよ、護衛艦ですら人の頭ぐらいの錨鎖が勢いよく出てくるのに」
「もしかしたらー、あれ ? 赤く塗ったっけ ? で終わるかもしれないわね」
「おいおい、もっと怖いこと言わないでわしいな」
「ハハッ、ごめんなさい。じゃあ今週はこのへんで」
「ああ、それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




