水平線の終わりには。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はいはーい、ちょうど時間となりました。私は解説の和美お姉さんよ、そしてー」
「どうも、作者です」
「えー、しまゆき君は ?」
「えっと、まだ治療中ということでー」
「仕方ないわね。じゃあ今週はまた水平線の話なのよね」
「うん、前にも言ったけど南の水平線は濃い青と白なんだ」
「それって晴れていても空の部分は白いってこと ?」
「そう、真上は青空でも水平線近くになると水色になって、そして白に変わるんだ」
「それって靄や霞がかかっているのね」
「以前聞いた話だけど寒い日にハーッと息を吐くと白くなるだろ ? それは空気中のゴミに水滴が付いて白く見えるらしいんだ。だけど北極や南極ではそれが無い、空気中にゴミが浮遊してないかららしい」
「なるほど、北の方ではゴミが浮遊してないから遠くまで見えちゃうのね」
「うん、しかしその見え方が半端ない。なんせ水平線まで真っ青に晴れていて、船が半分以上沈んでる様に見えるんだから」
「たしか水平線までは一万二千メートルくらいって言ってたわね。その向こうにいる船のマストが見えているんだからー、どれぐらい先まで見えてるのかしら」
「うーん、ぼやけることなくクッキリと見えてたので二万メートル先ぐらいは見えてたと思う。これが普段見ることができないので感動物だった」
「普段から見えてたら潜水艦の潜望鏡と間違ったりはしなかったのにね」
「……それは言わないでほしい」
「それで他には無いの ?」
「ああ、水平線関連で光芒があるよ」
「こうぼう ? それってー」
「うん、イカ釣り漁船さ」
「イカ釣り漁船て大きな電球を幾つも並べて光らせてイカを集めてるのね」
「そう、その光が強いから水平線の向こう側にいる漁船の光が水平線を光らせるんだ」
「どんな風に ?」
「えっと、水平線のところから淡い光が丸く夜空を照らすんだ」
「へえ、それって霞が光ってるてぇことよね」
「うん、そうなるね。初めのころは神秘的だったけど慣れてくるとー、あ、イカ釣り漁船だ。としか思わなくなったな」
「ダメじゃん」
「う、じゃあ今週はここまで。それじゃあみんなー」
「「バイビー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




