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丸ハッチ。

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「今週はハッチの解説するぞー !」


「えっ、何、いきなり ?」


「最近ぜんぜん自衛隊の解説してなかったからな。そろそろ基本に戻ろうと思って」


「それでハッチのかいせつなの ? たしか以前にもやったようなな……」


「うんやったね、でももう一回やるよ」


「そう、でも大丈夫なのかなぁ。ちゃんと解説できるの ?」


「うっ、それは覚えてるかぎりということで」


「分かったわ、やってみそ。骨は拾ってあげるわ」


「骨って、まあいいか。それじゃあハッチの種類と役目からだね」


「役目は簡単じゃん、海水が入ってこない様にするんでしょ ?」


「そ、そうだね、大体あってるよ。でもハッチによって水圧に耐えられない物もあるんだよ」


「なにそれ、そんなのただのドアじゃない」


「まあまあ、まずは種類から見ていこうか。一番多く使われてるのが人が立ったまま通れるドアハッチだね」


「ドアハッチ ? ドアなのにハッチなの ?」


「ドアの様に引いて開閉するからね、でもちゃんとしたハッチなんだよ。向かって左側だったかな ? レバーが取り付けられていて閉じるときに左右三つ、計六個の爪がドアを固定するんだ」


「どうやって連動してるの ?」


「え、えっとぉ……、き、機械的にテコの原理を使ってるんだ」


「覚えてないのね」


「次が前甲板と後甲板に設置してある羽あげ式のハッチだ。これはさっきみたいに爪が無いんだ」


「えっ、ならどうやって閉めるのよ」


「ハッチの周り数か所に割れ目が入っていて、そこにボルトを入れて蝶々形のネジで一つ一つ締め上げるんだ」


「待って、それは外からで内側からじゃ開けられないんじゃないの」


「そう、その為にこのハッチにはもう一つ丸ハッチが付いてるんだ」


「えっ、あのお相撲さんがテレビで宣伝してたー」


「それは掛布団。よく知ってるな。丸ハッチと言うのは人一人がやっと通れる丸い穴なんだ」


「へー、それは内側から開けられるんだ」


「うん、内側に丸いハンドルがあって、右に回すと放射状に三本の爪が広がる様にできてるんだ」


「ほうほう、それでどうやって広がるかは聞かないであげるわ」


「ありがとう、助かるよ。それでもう一つは倉庫なんかに使われるハッチで形はドアハッチなんだけどレバーが無いから連動はしないんだ」


「えっ、じゃあ一個一個閉めてくの ? 面倒ね」


「うん、小さなレバーを手や足を使ってね。最後が弾庫なんかに使われている四角いハッチ、これも外側から四隅をネジで固定するんだ。防水訓練で添え木を当てられてるからハッチとしては弱い方なんだろうね」


「へえ、まだまだいろんなハッチがありそうね」


「そうだね、特別なCICとか機関室なんかには見たことが無いハッチがあるのかも」


「ええ、調べてみるのも面白いかもね」


「最後にハッチの点検の仕方を」


「点検? 単に錆びて穴が開いてるかどうかじゃなくて」


「違う違う、ハッチの要は何といってもゴムパッキンなんだ。これがしっかりしてないと水漏れが起きてしまう」


「パッキンね、それでどうやるのよ」


「まずはチョークを用意します」


「黒板に書くやつ?」


「そうそれ。そのチョークをパッキンが合わさる突起部分にこすり付けてー、思いっきりパーーン!って叩きつけます」


「えらく乱暴ね、それで」


「白いチョークがくっきりパッキンに付いていればOK」


「なるほど、付いてないとこは水漏れがするのね」


「その通り。それじゃあ今週はこのへんで」


「「「バイビー」」」


「あれ、しまゆき君居たの」


「うん、ずっと」


 ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。

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